第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)A 会場(3階 メインホール) 14:10〜15:30

シンポジウム 5: 内視鏡手術は顕微鏡手術を凌駕したか: 脳出血

座長: 重森 稔、鈴木倫保

2A-S5-6

当施設における内視鏡的血腫除去術の治療成績と転帰不良例の検討
Retrospective analysis of poor-outcome patients treated with endoscopic evacuation of intracerebral hemorrhage

山城重雄 (YAMASHIRO Shigeo)、穴井茂雄、吉田顯正、倉津純一 1

熊本労災病院 脳神経外科、熊本大学 脳神経外科 1

【目的】神経内視鏡による脳内血腫除去術の手術成績は従来の開頭血腫除去術に優るとの報告もあるが、想定外の死亡や転帰不良例が存在し、症例選択や手術手技との関連につき検討の余地は残る。当施設の手術例のうち、特に転帰不良例について検討した。【対象と方法】2007年5月より2年間で、28例の内視鏡的脳内血腫除去術を行った。手術適応は脳卒中治療ガイドラインに準じ、視床出血では多量の脳室内穿破例に限定した。部位の内訳は被殻9例、視床/脳室内6例、混合型2例、皮質下3例、小脳8例で、術前の意識レベルはJCS I桁が2例、II桁が14例、III桁が12例であった。局所麻酔のもと、硬性鏡下で血腫吸引を行った。【結果】平均血腫除去率は82%であった。退院時意識レベルは、清明かJCS I桁が16例、II桁が6例、III桁が2例で、死亡が4例にみられた。JCS III桁と死亡の6例を転帰不良群として再検討した。6例とも術後意識レベルがJCS III桁の状態より改善せず、原因は術中止血困難(3例)、再出血(1例)、脳梗塞による急性脳腫脹(1例)、および呼吸不全(1例)であった。止血困難の2例はそれぞれ硬膜動静脈瘻が関わる脳室内出血と抗血小板剤内服中の症例だった。他の1例は通常の被殻出血で、引き続き開頭手術を必要とした。術中ビデオの検討から、術中出血の原因として正常の皮質や穿通枝の誤吸引、シース壁と脳実質の摩擦による損傷、出血点の固い血腫の無理な吸引などが考えられた。また、死亡例のうち3例は視床出血が占めた。【結論】転帰不良となる最大の原因は、術中止血困難と術後再出血である。対策として個人の技量向上は不可欠だが、出血源と思われる固い部分を吸引せず残す、血腫腔内へのコラーゲン性止血剤撒布なども有効かもしれない。抗凝固療法中の症例では、手術適応はより慎重に考えるべきである。また、多量の視床/脳室内血腫の症例では、軟性鏡の使用も考慮した手術手技自体の再検討が必要である。

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