第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)B 会場(2階 203, 204) 14:00〜15:05

一般口演 5: 第三脳室底開窓術

座長: 島 克司、三木 保

2B-O5-1

水頭症に対する脳室内視鏡下手術患者の長期的経過
Long-range outcome of hydrocephalus patients treated by neuroendoscopic technique

平野宏文 (HIRANO Hirofumi)、大吉達樹、藤尾信吾、有田和徳

鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 脳神経外科

【はじめに】内視鏡手術による水頭症治療後の長期的な成績には未だ不明な点も多い.自験例で1999年から2004年に水頭症に対する脳室内視鏡による処置を行った9症例について転帰を含め報告する.
【対象】9症例(男/女=5/4)の年齢は0歳(生後4月)から72歳で年齢中央値は36歳であった.そのうち 2例は非腫瘍性中脳水道狭窄症,4例は中脳水道近傍のグリオーマで,他に松果体部への転移性脳腫瘍が1例,頭蓋咽頭腫が1例,脳室炎後の水頭症が1例であった.頭蓋咽頭腫には嚢胞の開窓と嚢胞内へのOmmaya reservoirの設置を行い,脳室炎後の水頭症には第3脳室底開窓術,透明中隔開窓術,脳室腹腔シャントを行った.その他は第3脳室底開窓術を行った.
【結果】非腫瘍性中脳水道狭窄症の2例(手術時0歳,14歳)は術後10年と9年になるが,水頭症の再発無く過ごしている.中脳水道近傍のグリオーマの4名(48,42,19,16歳)も開窓部閉塞による水頭症の再発はなく,また水頭症の原因となった腫瘍も安定しており症状の悪化は認められていない.このうちの1名は術後に結婚し,出産した.頭蓋咽頭腫(72歳)は術後9か月目に脳卒中のため死亡した.松果体部への転移性脳腫瘍の男性(36歳)は,原発巣が甲状腺に発見され,松果体部転移巣は定位放射線治療で軽快したものの,転院先で突然死した.脳室炎後の水頭症は術後も寝たきりであるが,治療前より意識状態の改善が得られた.
【結論】初期治療が上手くいけば,非腫瘍性中脳水道狭窄症の術後経過が長期的に安定することは想像に難くないが,中脳被蓋周辺のグリオーマ患者も術後平均6年を経て,安定した経過が得られている.突然死した転移性脳腫瘍例の死亡原因が不明であるが,総じて内視鏡下に行なう髄液交通路再建は有効な治療法と考えられる.

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