第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)B 会場(2階 203, 204) 14:00〜15:05

一般口演 5: 第三脳室底開窓術

座長: 島 克司、三木 保

2B-O5-5

シャント不全による急性水頭症に対し、緊急内視鏡下第3脳室開窓術によりシャント不要となった3症例
The efficacy of emergent endoscopic third ventriculostomy for the patients with acute hydorocephalus due to shunt dysfunction; three cases report.

中嶋千也 (NAKASHIMA Kazuya)、大西英之、垰本勝司、久我純弘、市岡従道、兒玉裕司、久保田尚、富永貴志、林 真人、廣瀬智史

大西脳神経外科病院

【はじめに】従来、シャント不全から急性水頭症を来す症例には、脳室ドレナージ後にシャント再建術を行うのが一般的であった。一方、近年内視鏡下第3脳室開窓術(ETV)が普及してきた。今回、緊急ETVを行い、シャント不要となった3症例を報告する。

【症例1】24歳男性。他院にて髄膜炎後水頭症に対し、生後9ヶ月でシャント術、再建術を24歳まで7回行うも、頭痛、上方注視麻痺あり家族の希望にて当院へ転院。脳槽CTにて、髄液の吸収能は良好であると判断。転院3日目に意識障害の出現、水頭症の増悪を認め、緊急にETVおよび脳室ドレナージを施行。

【症例2】34歳男性。他院にて24歳時に特発性水頭症の診断にてシャント術を施行。26歳時に当院を受診、腫瘍による中脳水道閉塞が疑われ、生検するも明らかな異常なく、経過観察をしていた。34歳時、突然頭痛、嘔吐、失見当識あり来院。MRIにて急性水頭症を認めるも第4脳室には拡大なく、入院当日にETVおよび脳室ドレナージを施行。シャント不全の原因は、腹腔側チューブの閉塞であった。

【症例3】35歳男性。他院にて特発性水頭症の診断にて14歳時にシャント術、18歳時にシャント再建術。腹部の腫脹とともに、急な頭痛、嘔吐あり当院受診。シャント造影にて腹腔側チューブが皮下へ脱出したのが原因と判断。CTにて急性水頭症を認めるも第4脳室の拡大なし。入院翌日にETVおよび脳室ドレナージを施行。

いずれの症例も、その後脳室ドレナージを抜去し、シャント再建する事なく、退院した。

【考察】ETVの適応がある水頭症に対しても、近年までシャント手術が行われてきた。そのような症例の中に、シャント不全にて急性水頭症を来す事例が増加している。脳槽CTにて髄液の吸収能が保たれている、あるいはCT・MRIにて中脳水道が狭窄/閉塞していると推測される症例では、ETVが有効であると考える。各施設が緊急でもETVを施行できる体制が必要と思われる。

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