第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)B 会場(2階 203, 204) 15:05〜16:15

一般口演 6: 経鼻的内視鏡手術

座長: 藤井清孝、栗栖 薫

2B-O6-2

内視鏡下経蝶形骨洞下垂体腫瘍摘出術における手術手技の工夫
Surgical techniques in endonasal endoscopic transsphenoidal surgery for pituitary tumors

露口尚弘 (TSUYUGUCHI Naohiro)、後藤剛夫、石橋謙一、大畑建治

大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科

【目的】内視鏡を用いた経蝶形骨洞手術は、器具や技術の発展に伴い一般的な手技となってきている。しかし、内視鏡下では術野を確保するために内視鏡の移動と固定をたえず繰り返す必要があるため顕微鏡下手術のように両手による処置が円滑に行えない場合がある。また、術野では顕微鏡手術のような立体感がえられないなどの問題点も存在する。これらの問題点に対して我々が行っている工夫を最近経験したトルコ鞍病変の手術について報告し顕微鏡下手術と比較する。【方法】手術は、顕微鏡による上口唇下経蝶形骨洞到達法と両側鼻腔進入での内視鏡下手術である。鼻腔内の手術経路の確保からトルコ鞍底操作までの手術は一人の術者が片手でおこなう。トルコ鞍底到達後は、術者は二人になり、内視鏡を固定せず一人の術者が内視鏡を、残りの一人が吸引管とキュレットなど両手を使用し手術操作を行う。また手術道具としては、先端を可変に曲げることが可能なバイポーラや回転できるシングルシャフトのはさみなどを使用する。【結果】内視鏡を固定しないことで、腫瘍摘出時も立体感が得やすく、特に丁寧な操作を必要とする海綿静脈洞部の摘出、あるいは下垂した鞍隔膜を挙上しながら鞍背周囲腫瘍を摘出する際には、内視鏡の細かな動きによる病変の観察と両手での手術操作が腫瘍摘出に非常に有用であった。しかし、手術時間は内視鏡下手術が平均して1時間ほど長くなる傾向にあった。【結論】様々な工夫で内視鏡での手術操作は容易になるが、手術器具の精緻な動きや微妙な力の調整は顕微鏡下手術よりもいまだ劣り、内視鏡画像が顕微鏡画像よりも解像度低いため血腫内での腫瘍や下垂体の色調を区別しにくいなどの短所がある。手術手技の向上と手術器具の開発で内視鏡下手術は顕微鏡下手術に近づくであろうが、適確に手術適応を見極めることも重要である。

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