第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)B 会場(2階 203, 204) 15:05〜16:15

一般口演 6: 経鼻的内視鏡手術

座長: 藤井清孝、栗栖 薫

2B-O6-3

トルコ鞍近傍病変に対する経鼻内視鏡手術の有用性
Endoscopic endonasal approach for the surgery of sellar region

戸田正博 (TODA Masahiro)、河瀬 斌、冨田俊樹 1

慶應義塾大学 医学部 脳神経外科、慶應義塾大学 医学部 耳鼻咽喉科 1

我々は、現在、トルコ鞍近傍病変に対して、有茎鼻中隔粘膜弁を作製可能な両側鼻孔アプローチによる経鼻内視鏡手術を施行している。本研究では、2008年9月から現在まで施行した両側鼻孔アプローチの経鼻内視鏡手術17例(有茎鼻中隔粘膜弁作製15例)を検討し、顕微鏡手術と比較して優れている点、劣っている点を挙げ、さらに内視鏡手術における改善点についても考察を加えた。第一に内視鏡手術の優れた点として、鼻鏡を使用せず、両側鼻孔を手術ポートとして利用した低侵襲アプローチ(鼻中隔後端を切除して両側鼻孔間を交通)が可能であり、鞍底形成に極めて有用な有茎鼻中隔粘膜弁を作製できる。したがって、髄液漏に対する予防処置の確実性が高まり、線維性腫瘍などの摘出困難な症例の摘出率向上に貢献している。第二に、内視鏡手術により、顕微鏡手術では死角となっていた部位の観察や、病変近傍まで接近することによる微細構造の観察が可能となった。その結果、下垂体腫瘍では偽性被膜を含めた全摘出例が増えるなど、摘出率の向上に貢献している。一方、観察可能な術野の拡大に伴い、操作困難な部位が増えたことから、今後、手術器具のさらなる開発が必要である。内視鏡手術の劣っている点として、立体視ができないため、顕微鏡手術と比較して距離感が曖昧となる。その対策として、内視鏡に習熟した耳鼻科医が助手参加して、動的に術野を展開することにより、距離感を補うことができた。また、従来の鼻鏡を使用した内視鏡手術(一側鼻孔)では、鼻孔が小さい女性などにおいてスペースの問題から術操作に制限があったが、両側鼻孔を手術ポートとして用いることにより、顕微鏡下に近い術操作が可能となり、さらに助手が手術参加可能となった。以上、両側鼻孔経由の内視鏡手術は、従来の顕微鏡手術と比較して優れた点を有することから、今後、経鼻内視鏡手術の適応疾患は拡大すると思われる。

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