第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

前の演題

第2日目、12月5日(土)B 会場(2階 203, 204) 15:05〜16:15

一般口演 6: 経鼻的内視鏡手術

座長: 藤井清孝、栗栖 薫

2B-O6-8

内視鏡下手術を併用した斜台部脊索腫に対する腫瘍摘出術
Combined trans-cranial microscopic and endonasal endoschopic removal of clival chordomas.

吉野義一 (YOSHINO Yoshikazu)、青柳 傑、玉置正史、河野能久、岸本誠司 1、角田篤信 2、大野喜久郎

東京医科歯科大学 脳神経外科、東京医科歯科大学 頭頚部外科 1、東京医科歯科大学 耳鼻咽喉科 2

斜台部脊索腫は組織学的に良性だが、浸潤性に増殖する悪性の性格をもつ。定位放射線照射追加の可否など、予後は残存腫瘍量に規定されるため、手術ではより積極的な切除が望まれる。一方で本腫瘍は発見時既に周辺構造へ進展していることが多く、脳神経、内頚動脈を巻き込み、海綿静脈洞、副鼻腔、頸椎脊椎移行部、頭蓋底硬膜内など、広範に浸潤する。このような場合は、定型的な内頭蓋底外科手術法では十分な切除が叶わない。今回我々はこのような脊索腫2症例に対して、内頭蓋底外科手術手技に外頭蓋底内視鏡下腫瘍摘出手技を組み合わせて手術を行い、良好な結果を得たので報告する。【症例1】34歳男性。髄膜炎にて発症した。腫瘍は斜台上部から左蝶形骨へと進展し、左内頚動脈(C5-6)を包み込んでいた。経鼻的生検で脊索腫を組織診断した。経側頭下窩到達法及び経前方錐体骨到達法の複合到達法を行い、内視鏡による経鼻蝶形骨洞到達法を併用し、腫瘍を肉眼的に全摘出した。【症例2】38歳女性。めまいと視野障害で発症した。腫瘍は斜台全体、前頭蓋底、蝶形骨洞、篩骨洞、海綿静脈洞に至り、両側内頚動脈を包み込んでいた。右は側頭下窩、翼突窩まで、下方は頭蓋頸椎移行部まで進展していた。鼻内生検で脊索腫を診断し、拡大前頭蓋底到達法及びLe Fort I型骨切開法に加え、内視鏡による外頭蓋底到達法を併用し、腫瘍を肉眼的に全摘出した。【結論】進展度の強い脊索腫では、内頭蓋底外科手技のみでは十分な腫瘍切除が難しいことが多い。外頭蓋底より内視鏡手術を併用して両者の特徴を生かすことにより、進展度の強い脊索腫でも腫瘍の大部分を切除可能となる。本検討では、上部斜台外側の錐体骨先端から後床突起近傍に浸潤する腫瘍の切除に際して内視鏡が有用であった。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目