第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)D 会場(3階 ホワイエ お城側) 10:50〜11:20

ムービーセッション 6: 第三脳室底開窓術

座長: 野中雄一郎

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第三脳室底開窓術後、高次脳機能が改善した LOVA の一例
A case report of LOVA whose WAIS-III sore was improved after ETV

河野隆幸 (KAWANO Takayuki)、植田 裕、矢野茂敏、倉津純一

熊本大学 医学部 脳神経外科

【はじめに】LOVA(long-standing overt ventriculomegaly in adults)は、Oiらが2000年に提唱した、比較的まれな水頭症の一病型である。LOVAで、高次脳機能を検討した報告は少なく、手術により改善が得られるか明らかではない。今回我々は、手術適応の決定に苦慮し、手術後のWechsler Adult Intelligence Scale-third edition (WAIS-III)の結果に改善が認められた症例を経験したので報告する。【症例】44歳女性、生後8ヶ月時に頭頂部髄膜瘤の手術の既往がある。高校卒業後、事務職に就いていたが、仕事の段取り、人の顔を覚えられないということがあった。21歳時に水頭症を指摘されたが、症状に乏しく経過観察された。39歳時、通信制大学卒業。2002年以降、脳室サイズに変化はなかった。2007年12月WAIS-IIIを施行され、全検査IQは109、言語性IQは124であったが、動作性IQが87と低値であった。また群指数では処理速度が81と低下を認めた。本人も、注意力、記憶力の低下を自覚していたため、2008年4月加療目的で当科入院。【入院時所見】入院時意識清明、長谷川式簡易知能評価スケール28点、頭痛、うっ血乳頭を認めず神経学的に異常を認めなかった。MRI上は側脳室から第三脳室にかけての著明な拡大、中脳水道の狭窄を認めたが、以前のMRIと変化を認めなかった。【術後経過】2008年4月8日第三脳室底開窓術施行。術後、本人の自覚として、人の顔を覚えやすくなったとのことであった。術後3ヶ月後、10ヶ月後のMRIでも、術前と所見に変化を認めなかったが、2009年5月WAIS-IIIを施行され、全検査IQ121、言語性IQ129、動作性IQ106と改善が認められた。群指数でも処理速度が100と上昇を認めた。【結論】LOVAの症例で一般的な神経学的検査において明らかな所見がない場合でも、WAIS-IIIを施行することで所見を得ることができる可能性がある。またLOVAの症例では、手術により高次脳機能障害を改善できる可能性が示唆された。

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