第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)D 会場(3階 ホワイエ お城側) 11:20〜11:50

ムービーセッション 7: 症例報告 3

座長: 岡 秀宏

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未治療の非機能性下垂体腺腫に発生した髄液鼻漏に対して経鼻的神経内視鏡手術が有効であった1例
Endonasal endoscopic surgery for spontaneous CSF rhinorrhea in untreated non-functioning pituitary adenoma: Case report

藤本康倫 (FUJIMOTO Yasunori)、久保重喜 1、浅井克則、枝川光太郎、早川航一、星 拓、豊田真吾、岩本文徳、川口 哲、吉峰俊樹 2

財団法人 大阪脳神経外科病院、箕面市立病院 脳神経外科 1、大阪大学 医学部 脳神経外科 2

【はじめに】下垂体腺腫の治療後の合併症として髄液鼻漏はよく知られているが、未治療の下垂体腺腫に髄液鼻漏が合併することは非常に稀である。無症候性下垂体腺腫の経過観察中に髄液鼻漏が生じた1例を経験したので報告する。【症例】44歳女性。3年前の脳MRIで下垂体腫瘍と診断され無症候性であったため経過観察されていたところ、左鼻孔より水様性鼻漏が出現した。鼻漏はテステープにて糖陽性でありMRIにて蝶形骨洞内に液体貯留を認めたため髄液鼻漏と診断した。血中下垂体ホルモン検査は正常範囲内であった。MRI、CT cisternographyの所見から瘻孔部位の特定は困難であった。腰椎ドレナージを2週間行ったが髄液漏は改善せず、下垂体腫瘍による菲薄化したトルコ鞍底からの髄液漏出と考え、経鼻的内視鏡下修復術及び腫瘍摘出術を行った。左鼻孔より進入し、蝶形骨洞前壁をドリルで開放して蝶形骨洞内を観察すると、鞍結節とトルコ鞍底の境界部で腫瘍が露出しておりそこから髄液の漏出を認めた。トルコ鞍底を開窓し、腫瘍を可及的に摘出。セラタイト®プレート(小林メディカル)を形成してトルコ鞍底再建を行い、フィブリン糊でパックした。病理組織検査の結果非機能性下垂体腺腫であった。術後経過は良好で、腰椎ドレナージを1週間継続後、髄液鼻漏は再発なく経過している。 【結論】 髄液鼻漏はinvasive macroprolactinomaに対するdopamine agonistによる薬物治療によっておこりうる合併症の一つであるが、未治療の非機能性下垂体腺腫に髄液漏が自然発生することは稀であると考えられる。最近は髄液鼻漏に対して内視鏡下の修復術が選択され、本症例においても神経内視鏡手術によって瘻孔部位の同定・修復と同時に腫瘍摘出が可能であった。

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