第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)D 会場(3階 ホワイエ お城側) 11:20〜11:50

ムービーセッション 7: 症例報告 3

座長: 岡 秀宏

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術中髄液漏を認めずに内視鏡下手術にて治癒しえた empty sella を伴う下垂体性クッシング病の1例
A case of Cushing Disease with an empty sella treated with endoscopic surgery

福井崇人 (FUKUI Takahito)、安斉公雄、及川光照、中村博彦

中村記念病院 脳神経外科

【はじめに】empty sellaを伴うクッシング病は非常にまれであるが、経蝶形骨洞手術を施行した場合、高率に髄液漏を認めると言われている。今回、empty sellaを伴った下垂体性クッシング病に対して、内視鏡的経鼻的経蝶形骨洞手術(ETSS)を施行し、術中髄液漏を認めずに全摘出した1例を経験したので報告する。【症例】64歳女性。難治性高血圧、ACTH、コルチゾール高値にて近医内科で精査され、クッシング徴候を認め、デキサメタゾン負荷試験で異常反応あり、クッシング病が疑われ当院紹介。当院受診時、視力視野障害はなく、ACTH 204.7pg/ml、コルチゾール30.8μg/dlと高値で、下垂体MRIにてempty sellaを伴って下垂体は著しく菲薄化し、明らかな下垂体腺腫を検出できなかった。海綿静脈洞サンプリングにて、左海綿静脈洞のACTH は4739.1 pg/mlと高値、中枢/末梢比(C/P比)も20.1倍と高く、下垂体性クッシング病と診断。empty sellaを伴っており、術中髄液漏のリスクも高いと思われたが、患者の外科治療の希望もあり、ETSS施行。片側鼻中隔切開法にて蝶形骨洞内へアプローチし、切開側の鼻中隔粘膜を有茎粘膜弁として用意した。腫瘍組織は肉眼的に同定可能で、髄液漏を認めずに全摘出した。病理診断は、ACTH産生性下垂体腺腫であった。術後、ACTH、コルチゾールは著明に低下し、早期よりホルモン補充を開始。現在クッシング徴候、高血圧も改善傾向である。【考察・結語】ACTH産生性下垂体腺腫は大部分が微小腺腫である上にempty sellaを伴っている場合は、手術において髄液漏を生じやすく、摘出が困難となる。今回、術中に髄液漏が生じることを予想し、有茎鼻粘膜弁等を用いた鞍底修復の準備をしたが、幸い髄液漏を生じずに腫瘍を全摘出し、良好な経過を得ることができた。

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