第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)B 会場(2階 203, 204)14:40〜15:30

一般口演 10: 外傷

座長: 重森 稔、岩崎康夫

O10-1

乳児陥没骨折の検討
Depressed fracture of the skull in infants

竹本 理 (TAKEMOTO Osamu) 、山田淳二、笹野まり

大阪府立母子保健総合医療センター 脳神経外科

【はじめに】成人の陥没骨折では、早期に修復術を行う意見が強い。小児では、自然整復の報告もあり、その判断は年齢により異なる。過去に、乳児の単純陥没骨折は自然整復される可能性が高いことを報告してきたが、さらに症例が増えたので再度検討を加えた。【対象と結果】2000年以降、当科で治療した新生児を含む乳児陥没骨折11例(連続症例)。男児7例、女児4例。受傷機転は、産道外傷と考えられる4例、ベッドなどから転落した3例、だっこの状態から誤って落とされた3例、転倒1例。出生時外傷を除く7例の月齢は8.0±2.5ヶ月。いずれも、外表所見以外の臨床症状はなく、CT上も、頭蓋内出血や脳挫傷はない。2例が院内発生で、1例は他院よりの緊急入院、8例が受傷0〜10日後に外来受診となった。骨折部は、頭頂骨8例、前頭骨2例、後頭骨1例。初診またはそれに近いCTが保存されている9例を計測に供した。陥没骨折はすべて円錐または類円錐形で、いわゆるピンポンボール型の陥没骨折はない。陥没部の半径は1.60±0.44cm、深さ0.78±0.26cm、体積2.53±2.18cm3であった。全例手術は行わず、入院または外来で厳重に観察したところ、陥没部は60.1±37.6日で50.0%の体積となり、144.8±58.4日でほぼ整復された。全例で、7.5±2.2ヶ月で終診となった。この時点で、てんかんや発達の遅はなかった。診察終了までの期間は、新生児例平均8.0±1.4ヶ月、乳児例7.3±2.6ヶ月と差がなかった。【考察】新生児を含む乳児期発生の単純陥没骨折は、修復術の必要はなく、平均7.5ヶ月で自然整復される。したがって、この時期では急性期の手術適応はないと考える。

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