第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題 次の演題

第2日目、6月5日(土)B 会場(2階 203, 204)14:40〜15:30

一般口演 10: 外傷

座長: 重森 稔、岩崎康夫

O10-2

新生児硬膜下血種の臨床的検討
Clinical analysis of neonatal subdural hematoma

高田 明 (TAKADA Akira) 1、杉之原賢治 1、近藤裕一 2、倉津純一 3

熊本市民病院 脳神経外科 1、熊本市民病院 新生児科 2、熊本大学大学院医学薬学研究部 脳神経外科 3

【目的】当院で経験した新生児の硬膜下血腫(以下SH)につき検討を加えたので報告する。【対象】1998年1月から2009年11月までに当院に入院し、治療を行った新生児硬膜下血腫症例を対象にした。34週未満の早産例や2000g以下の低出生体重症例は除外した。全23症例であったが、今回は転落事故によるSHの1例を除き、出産・分娩に関連した22症例につき検討を行った。【結果】日齢2日までの入院が16例、7日までの入院が20症例であった。分娩状況は吸引分娩7例、回旋異常や分娩遷延・停止が6例でこのうち2例が帝王切開、2例が吸引分娩に移行した。正常頭位分娩は9例(40%)であった。初産婦が15症例(68%)と多かった。患児の症状として呼吸不全・無呼吸、新生児仮死、けいれん、筋緊張低下、先天性奇形合併に伴う全身状態不良、嘔吐、貧血、異常啼泣、黄疸などを認めた。1例は後頭骨の線状骨折とSH、1例は頭頂部の陥没骨折にSHを合併していたが、その他の20症例は、天幕切痕部周辺の出血であった。切痕部近傍の血腫例10例、後頭蓋窩あるいは後頭蓋窩と天幕上の血腫例6例、大脳半球穹隆部の血腫例4例であった。このうち脳内の病変を伴う症例が2例存在した。陥没骨折の1例に整復手術を施行したが、他は全例保存的に治療した。17例は経過良好であった。5例の転帰不良例のうち、4例は新生児仮死や先天性合併奇形などの血腫以外の理由で精神運動発達遅延を認めた。【結果】新生児硬膜下血腫は分娩時の吸引分娩や回旋異常、分娩遷延・停止などが関与するが、正常分娩でも発生していた。原因として天幕裂傷に起因する血腫が多く認められた。血腫は比較的少量で限局しており、血腫除去手術の必要はなかった。重症新生児仮死や、先天性奇形を伴わない症例の予後は良好であった。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目