第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)B 会場(2階 203, 204)14:40〜15:30

一般口演 10: 外傷

座長: 重森 稔、岩崎康夫

O10-3

小児において単一画像検査で描出されない頭蓋骨線状骨折パターンの検討
Linear fractures occult on skull in chirdren: A pitfall at radiological screening for mild head injury

中原邦晶 (NAKAHARA Kuniaki) 1、清水 曉 1、岡 秀宏 1、宇津木聡 1、山田 勝 1、菅 信一 2、藤井清孝 1

北里大学 医学部 脳神経外科 1、北里大学 医学部 放射線科 2

目的:頭部外傷の検査として、単純エックス線(XP)またはCTのどちらかが単独で施行されることがある。しかし単一画像検査では描出されない(偽陰性)骨折パターンを経験することがあり検討した。対象・方法:2005年1月から2009年11月に当院を受診した軽症頭部外傷 (GCS13点以上)322症例を検討した。XPで線状骨折断面が放射線の入射角に平行でないために描出されないが、骨条件軸位断CTでは描出可能なパターン(パターンA)、骨条件軸位断CTで線状骨折線の走行がスライス面 (OM lineと平行)に平行なために描出されないが、XPでは描出可能なパターン(パターンB)を抽出した。結果:パターンA が8症例(平均年齢12.4歳)に、パターンBが3症例(平均年齢52.3歳)にみられた。骨折部位はパターンAでは 前頭骨3例、頭頂骨3例、後頭骨2例で、パターンBでは全例が頭頂骨であった。パターンAの4例で急性硬膜外血腫を合併し、うち2例で手術を要した。パターンBでは2例に同血腫を合併したが、保存療法とした。 全軽症頭部外傷例における頻度はパターンAが約2.5%、パターンBが約0.9 %に相当した。考察: 頭部外傷の画像検査としてXPまたはCTのどちらか1つを選択する理由は、受傷状況・重症度・放射線被爆を勘案した合理性・保有設備・プロトコール・患者の希望などである。今回の骨折パターンは、XPとCTの両検査を施行したため明らかとなったが、単一画像検査とした場合は見落とされた可能性がある。乳幼児にはパターンAの骨折が多く認められたが、骨の強度に関係している可能性がある。A・Bの両パターンを合わせても全軽症頭部外傷例の約3.4%と稀ではあるが、単一画像検査を過信すると骨折を見落とす可能性があることを銘記すべきである。

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