第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)B 会場(2階 203, 204)14:40〜15:30

一般口演 10: 外傷

座長: 重森 稔、岩崎康夫

O10-4

虐待が疑われる乳幼児頭部外傷の臨床的検討
A Clinical Examination to Abusive Head Trauma in infants and young children

山元一樹 (YAMAMOTO Kazuki) 、堀 達雄、河村淳史、長嶋達也

兵庫県立こども病院 脳神経外科

【はじめに】虐待が疑われる頭部外傷は2歳未満の乳幼児に多いとされているが、我々は前方視的に2歳未満の頭部外傷症例について検討を行った。【対象と方法】2009年1月より12月に当院に入院した満2歳以下の交通事故等明らかな事故を除く頭部外傷患者を対象とした。来院時の頭部CTの適応はNICEの基準に準じて行い、入院適応はCT上頭蓋骨骨折を含め頭蓋内に何らかの外傷性変化を伴う場合、CT上異常所見は無くとも意識障害や嘔吐など臨床症状を呈する症例とした。入院患者には全例受傷機転、病歴、成育の様子、家族歴、家族背景等の問診、外表のチェックを行い、CT上異常所見を認める症例は全身骨のチェック、頭蓋内出血を認める症例は眼底検査も行った。虐待の可能性の有無はDuhaimの分類、藤原らの虐待診断基準、青木らの分類をもとに全例ソーシャルワーカーを含む複数のスタッフで頭部外傷カンファレンスを行い総合的に判断した。【結果】対象症例は28例であった。疾患は硬膜下血腫9例、硬膜外血腫1例、頭蓋骨骨折8例、CT上異常所見を認めない頭部打撲10例であった。頭部以外の外表上あるいは全身骨に異常を認めた症例は無かった。眼底出血を認めた症例は3例でいずれも硬膜下血腫であった。28例中2例に対して虐待を疑い児童相談所への通告を行い、7例に対して虐待は疑わないが外来及び保健所での経過追跡とした。内訳は硬膜下血腫(9例中2例児童相談所、2例保健所)、硬膜外血腫(1例中1例保健所)、頭蓋骨骨折(8例中2例保健所)、頭部打撲(10例中2例保健所)であった。退院後の再発は認めていない。【結語】虐待が疑われる頭部外傷は、いまなお初療及び臨床レベルでの判断は容易ではなく総合的に判断される必要がある。引き続き全例調査及び虐待と判断されなかった症例を含めた経過追跡を行い全体像を把握したい。

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