第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)B 会場(2階 203, 204)14:40〜15:30

一般口演 10: 外傷

座長: 重森 稔、岩崎康夫

O10-6

小児期発症の脳脊髄液減少症 —成人例との比較検討—
Intracranial hypotension onset in childhood, adolescence; Analysis for clinical features and compared with adult cases

高橋浩一 (TAKAHASHI Koichi)

山王病院 脳神経外科

【目的】小児期 (15歳以下) に発症した脳脊髄液減少症について、症状、経過、画像所見、予後を中心に、成人例と比較検討した。【対象と方法】対象は、15歳以下に発症し、発症から5年以内にブラッドパッチを施行した48例(男性26例、女性22例、平均年齢13.5歳)である。これらの症例と、本症と診断し、ブラッドパッチを行った80症例(成人群、男性39例、女性41例、平均年齢37.5歳)の追跡調査結果と比較し、画像所見、症状、治療、予後について比較検討を行った。【結果】頭部MRIでは小児群では、脳の下垂など異常を認めず、正常であった症例が32例(66.7%)存在した。それに対し成人群では正常所見は27例(33.8%)であった。RI脳槽シンチ所見は、小児群では、15例(31.3%)、成人例では21例(26.3%)が髄液漏出所見を認めた。治療予後は小児群では改善が32例(66.7%)、部分改善が12例(25.0%)、不変4例(8.3%)であった。これに対し成人群では改善が44例(55.0%)、部分改善が17例(21.3%)、不変14例(17.5%)であった。【考案】小児期発症の脳脊髄液減少症は成人例と比較し、頭部MRI上、異常所見を示さない事が多い。そのため、起立性調節障害などの診断にて経過観察されている症例も少なくなかった。小児群では9割以上にブラッドパッチの効果を認めており、成人群より治療成績が良好である。難治性の起立性頭痛などにより日常生活に支障を来たしている症例に対して、脳脊髄液減少症を考慮すべきと思われた。【結論】小児期発症の脳脊髄液減少症では、成人と比較し、頭部MRIでは典型的な画像所見を呈さない症例が多い。しかし、小児期発症例はブラッドパッチの有効率が高く、診断は慎重に進めるべきである。

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