第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)B 会場(2階 203, 204)15:30〜16:20

一般口演 11: 機能・てんかん

座長: 榎本貴夫、森岡隆人

O11-5

小児の重度ジストニアに対するボツリヌス治療(24症例)
Botulinum toxin A therapy for the systemic dystonia in children

山田淳二 (YAMADA Junji) 、竹本 理、笹野まり

地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 脳神経外科

【目的】当施設では2005年12月に小児ボツリヌス毒素製剤療法を開始、現在までに24例の患者に対して施行した。これらは、すべて重度ジストニア例で、ボツリヌス毒素療法の有効性を報告してきた。今回、症例数・施行回数の増加し、新たな知見を得たので報告する。【方法と結果】対象は、24人の重度ジストニアをもつ児で、全例で痛みや苦悶を伴う全身の筋過緊張があり、内科的治療や理学的治療に対し抵抗性であった。年齢は、1歳〜22歳で、男児11例、女児13例。全例にA型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス)を1.3〜15.1単位/kgを患部筋内に広汎に施注することにより、局所的な筋緊張緩和がみられた。また、多くの症例で座位保持や着衣介助が楽になり、介護者の負担が軽減した。22例では、発作時の痛みが軽減した。全例で合併症の出現はない。臨床的効果が明らかで、引き続き、3−5ヶ月ごとに維持投与を行っているのは13例である。残り11例中8例では、現在投与を休止している。このうち5例は、1〜数回の治療で臨床症状が劇的に改善し、理学療法や内服薬療法だけで緊張の緩和状態を維持できている。2例は、局所の筋緊張緩和が全身状態の改善に至らなかったため本治療を中止した。残る3例は、原病による死亡した。【結論】小児の重症ジストニアに対するボツリヌス療法は繰り返し投与を必要とする症例ばかりではなく、数回の投与で内服療法や理学療法に移行できる症例も多い。本人や家人の苦しみを改善するばかりでなく、医療経済的にも有効で、積極的に導入すべき治療法と考える。

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