第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)9:05〜9:50

一般口演 2: 水頭症 2

座長: 西澤 茂、竹本 理

O2-2

水頭症治療に併発する‘akinetic mutism and parkinsonism’の考察
Akinetic mutism and parkinsonism associated with hydrocephalus

西山健一 (NISHIYAMA Kenichi) 1、吉村淳一 1、原田敦子 2、棗田 学 1、永谷哲也 3、宮嶋雅一 4、藤井幸彦 1

新潟大学 脳研究所 脳神経外科 1、新潟医療センター 脳神経外科 2、名古屋大学大学院 医学部 脳神経外科 3、順天堂大学 医学部 脳神経外科 4

【目的】水頭症治療に関連して生じる‘akinetic mutism(AM) and parkinsonism’の病態を解明する。【方法】水頭症の治療過程で‘AM and parkinsonism’を併発した4症例を対象とし、臨床経過, 画像所見, 治療を後方視的に検討した。【結果】全例が中脳水道狭窄(AS)を伴う水頭症で、初期治療はV-P shuntが施行されていた。症例1, 2はシャント再建術後に、症例3はシャント圧変更後に、症例4は内視鏡手術後に発症した。(症例1)15歳男児、中脳腫瘍。シャントを設置し2ヶ月間の圧調整後、機能不全を来しシャント再建。術後3日目から動作緩慢、1週間でAMに陥る。発症14日目からlevodopaを内服、53日目にETVを施行。術後2ヶ月から急に症状改善。(症例2)13歳女児、中脳腫瘍。シャント後1年で機能不全を来し再建。術数日後に振戦で発症。発症1ヶ月からlevodopa内服、2ヶ月時ETVを施行。術後3ヶ月から急に症状改善。(症例3)47歳女性、AS。10歳から頭痛を認め47歳でシャント施行。1年後に複視が出現。圧調整の過程で筋固縮から発症。L-dopa内服で軽快せず発症1年後にETVを施行。(症例4)1歳11カ月女児 、先天性AS。生後2日目にシャント設置。20ヶ月間に5回の機能不全を繰り返した為、脳室を拡大させETVを施行。麻酔導入後に急激な脳圧上昇を来し、内視鏡挿入で髄液が急速に排除された。術翌日からAMとなる。投薬せず1ヶ月の観察でAMは改善。全例でシャント設置中に細隙状脳室が指摘される期間あり。症例4は、発症後早期のMRIにて黒質−線条体−視床にDWIで高輝度病変を認めた。症例1-3はMRIで病巣を指摘出来なかったが、内視鏡所見で中脳被蓋の脳室壁に出血性変化を確認した。【結語】自験例の内視鏡所見とMRI所見は、AMの責任病巣といわれる脳幹網様体賦活系及びdopamin作動性神経路の障害を示唆する。また、本症は可逆的病態と思われる。

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