第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)9:05〜9:50

一般口演 2: 水頭症 2

座長: 西澤 茂、竹本 理

O2-4

頭蓋内のう胞における神経内視鏡下手術の位置づけ−その1:中頭蓋窩クモ膜のう胞の生活史?とEndo治療意義−
Neuroendoscopic Surgery in the case of Intracranial Cysts -Part1:Large middle Fossa Arachnoid Cysts and It is Treatment Policy-

高橋義男 (TAKAHASHI Yoshio)

大川原脳神経外科病院 とまこまい脳神経外科 小児脳神経外科

頭蓋内のう胞への神経内視鏡手術(Endo)は有効とされる。しかし、臨床で多く経験する中頭蓋窩〜シルビウス裂クモ膜のう胞(mfAraC)など水頭症を伴わないのう胞は、巨大でも症状に乏しいことなどもあり、実際のところ外科的治療選択は難しい。1993年から2008年までの15年間に経験したmfAraCからその自然経過を推測し外科的治療としてのEndoの位置づけを検討した。
〈対象と研究方法〉
1993年〜2003年に道立小児センターで経験したmfAraC64例及び2004年からとまこまい脳神経外科などで経験したmfAraC121例を対象とした。対象を6歳以下A群92例、7歳以上B群93例に分け、CT、MRI所見より1.小さなもの2.中程度で占拠所見を伴わないもの3.大きく占拠性所見を伴うもの4.大きく水頭症を伴うものに分け、各年齢層における画像分布および経時的所見を検討し、自然経過を推測した。また、6歳以下92例のEndoを含む外科的治療を検討し、治療適応と限界も考察した。
〈結果〉
1.画像分布:年齢が少ないほど占拠性を認めるmfAraCが多く、4歳以下例に発達の遅れなどの症状が目立つ。2. 5歳以上では巨大でものう胞増大はなく、症状も乏しい。6例にのう胞減少傾向。3.A群92例中外科的治療を行ったのは50例で、26例(52%)は画像に明らかな改善を認めたが、明らかな症状の改善は12例(24%)。Endo例を含め外転神経麻痺、硬膜下血腫、硬膜下水腫など術中〜術後併発症は18例(36%)。
〈まとめ〉
1.水頭症を伴うmfAraCに対してはEndo下経脳室でののう胞開放、交通術が極めて有効。2.水頭症を伴わないmfAraCは大きくとも明らかな症状を呈することは稀で、減少することもある。3.水頭症がない場合は、Endoによる新たなアプローチの仕方、ないしは小開頭顕微鏡下手術で確実に交通につけるのがよいと思われた。

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