第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)10:40〜11:40

一般口演 3: 二分脊椎

座長: 阿部俊昭、吉岡 進

O3-6

無症候終糸脂肪腫の治療
Treatment for asymptomatic filum lipoma

林 俊哲 (HAYASHI Toshiaki) 1、白根礼造 1、君和田友美 1、冨永悌二 2

宮城県立こども病院脳神経外科 1、東北大学大学院神経外科学分野 2

目的:MRIの普及により無症候の脊髄脂肪腫が診断される頻度が年々高くなっている。今回我々は当科における終糸脂肪腫の治療につき報告する。方法:対象は2005年8月〜2010年1月にMRI精査で終糸脂肪腫と診断され、当科で手術を行った終糸脂肪腫患者91例(6ヶ月〜27歳:平均3.18±0.54歳)。これら症例の診断の契機、神経所見の有無、手術適応および手術合併症、神経症状の変化、等につき検討した。結果:終糸脂肪腫診断の契機は腰仙部皮膚病変の精査が76例、合併奇形のスクリーニング精査が7例、下肢変形の精査が3例、運動発達遅滞の精査が2例、その他3例であった。受診時症状を認めたのは14例で下肢症状10例、膀胱直腸障害4例でこの内脊髄係留による症状が強く疑われたのは4例で、それぞれ2例で膀胱直腸障害、下肢症状が経過観察中に増悪した。その他87例では脊髄係留症状は明らかでなかった。患者へのインフォームドコンセントの結果、経過観察後に手術を行った4例を除き87例で診断後すみやかに脊髄係留解除術を行った。術後合併症は皮下髄液貯留を2例に認め、1例に対しては修復術を行い他の症例は保存的に加療し経過良好であった。術前脊髄係留が疑われた4例では術後全例症状が改善した。結論:終糸脂肪腫は自然歴が不明であり、診断時に無症候な症例が多い。治療は診断時に予防的係留解除を行うか、経過観察後症候例に手術を行うかを選択する必要がある。後者を選択した場合には脊髄係留症状に留意した専門外来における経過観察が必須である。前者を選択した場合には手術は低侵襲で安全な手技が必須であるが術後の経過観察は不要となる可能性があり今後の長期経過観察の結果が待たれる。

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