第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)10:40〜11:40

一般口演 3: 二分脊椎

座長: 阿部俊昭、吉岡 進

O3-7

症候性および無症候性脊髄終糸脂肪腫手術適応の比較検討
Surgical indication for symptomatic and asymptomatic spinal filum lipoma

李 政勲 (LEE Jeunghun) 、師田信人、荒木 尚

国立成育医療センター 脳神経外科

【目的】脊髄終糸脂肪腫症候群と無症候群における臨床像、術後経過をもとに手術適応を検討した。【対象および方法】2002年4月より2009年12月までに脊髄脂肪腫と診断し手術を行ったのは242名であった。内2007年1月から2009年12月までに脊髄終糸脂肪腫として手術を行った61名(男37名、女24名、手術時年齢;年齢2カ月〜29歳、中央値1歳)を対象とした。症候群と無症候群に分け、診断の契機、神経因性膀胱(NGB)・脊髄空洞の有無、術前脊髄円錐高位、術後変化を後方視的に検討した。【結果】61名中、症候群は21名(NGB19名、下肢しびれ1名、尖足1名)、無症候群は40名(皮膚異常33名、泌尿器奇形4名、鎖肛1名、その他2名)であった。入院後精査結果、症候群の全例でNGBを認め、脊髄円錐低位(第2腰椎下端以下)10名、脊髄空洞2名であった。術後6か月以上の経過観察可能であった19名中NGBの改善13名(68%)、不変8名であった。無症候群でもNGB27名、脊髄円錐低位23名、脊髄空洞10名を認めた。術後6か月以上の経過観察可能であった20名中NGBの改善12名(60%)、不変8名であった。無症候かつ脊髄円錐高位正常であったのは17名で、術後6カ月以上の経過観察で10名中NGB改善を6名に認めた。両群において術後神経症状悪化例は認めなかった。【考察】無症候群では腰仙部正中の皮膚陥凹を契機に脊髄終糸脂肪腫が診断されることが多く、精査にて60%以上にNGBを認めた。脊髄空洞、脊髄円錐高位、術後経過に関しては症候群と無症候群で明らかな差は見られなかった。無症候性で診断された脊髄終糸脂肪腫の場合、潜在的機能障害を認めることが多く、治療により機能改善、神経障害予防が期待可能と考えられた。また、脊髄円錐高位正常例でもNGBを合併しているときには手術適応があると考えられた。

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