第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)10:40〜11:40

一般口演 3: 二分脊椎

座長: 阿部俊昭、吉岡 進

O3-8

脊椎側弯症児における脊髄係留解除術の検討
Untethering of tethered cord for patients with scoliosis

波多野寿 (HATANO Hisashi) 1、小杉美智子 1、川上紀明 2、辻太一 2、長坂昌登 3

名城病院 脳神経外科 1、名城病院 整形外科 2、愛知県心身障害者コロニー中央病院 脳神経外科 3

【目的】脊椎側弯症の矯正術に際してはしばしば急速な身長の延長が見込まれる。また側弯症の原因検索の精査中や経過観察の中で脊髄係留症候群の関与が疑われることも経験される。このような背景をもった症例の係留解除術の適応や適切な時期、手技上の課題や予測すべき合併症などにつき検討を加える。【症例】2007年より現在まで、当院で脊椎側弯症に対する外科的治療を施行あるいは待機中の患児のうち、画像や臨床経過から脊髄係留症候群が疑われ、係留解除術が施行された14例につき検討を加える。係留解除術施行時の年齢は4-14歳(中央値8歳)、基礎疾患としては、脊髄髄膜瘤術後6例、胸郭形成不全を伴う高度の先天性側弯症3例、仙骨形成不全2例、髄膜瘤術後1例、終糸脂肪腫1例、症候性側弯症1例。係留の疑われたレベルは、胸椎5例、腰椎5例、仙椎4例であった。術中所見として係留の原因としては、術後瘢痕5例、脂肪腫4例、正常終糸3例、後天性の割髄症1例、骨性の係留1例であった。【結果】脊髄係留解除術に際しては、全例に運動誘発電位などの神経モニタリングを行い、腰椎以下の症例は全例下肢筋および肛門括約筋の誘発筋電図など電気生理学的モニターを行った。係留解除術後に神経学的悪化は認めず、2例に術後脳脊髄液の皮下貯留、1例に髄液漏を来した。係留解除後に脊椎側弯症の矯正術を施行した例では、急速な身長の伸展などに伴って懸念された神経学的合併症の出現を認めなかった。【考察】脊椎側弯症の矯正術に伴う急速な身長の伸展が予測される側弯症児の神経合併症予防として、脊髄係留解除術は安全な手技である。手術合併症としては、電気生理学的モニタリングの活用により神経学的合併症は回避できたが、髄液漏が課題であった。

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