第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)14:30〜15:15

一般口演 4: 頭蓋骨縫合早期癒合症

座長: 伊藤 進、重田裕明

O4-4

前頭縫合早期癒合症(三角頭蓋)の自然歴と手術適応に関する前方視的多施設共同調査—2009年度登録症例の解析
A Prospective Multi-Center Trial for Trigonocephaly:To Elucidate Natural History and Indication of Operation: Registration in 2009

高橋里史 (TAKAHASHI Satoshi) 1、大井静雄 2、下地武義 3、宮嶋雅一 4、稲垣隆介 5

慶應義塾大学 医学部 脳神経外科 1、東京慈恵会医科大学総合母子医療センター小児脳神経外科 2、沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 3、順天堂大学医学部脳神経外科 4、関西医科大学脳神経外科 5

[はじめに] 軽度三角頭蓋の中に多動傾向や運動機能障害,精神発達遅滞を呈する症例があり,それらの症状がICP高値に起因することを示唆する知見が報告されてきたが,これまでにその自然歴と手術適応には一定の見地が見られていない. 2009年度より厚労省大井班の研究プロジェクトの一環としてこれら諸問題に一定の医学的見地を与える目的で前方視的多施設共同研究が開始された.[対象・方法] 三角頭蓋の治療例が多く,外科的治療を専門とする4施設が本研究に参加した.三角頭蓋の診断は3D-CTで決定され,1. 頭蓋内圧測定のみの手術, 2. 頭蓋内圧測定とその結果有意な頭蓋内圧亢進がある場合は,根治手術, 3. 非手術例としての経過観察の3群に振り分けられた.各群,全症例において術前後の神経徴候が,大井・野中発達遅滞経年的数量評価スケール(ON-DD Score)を含め詳細にフォローアップされた.2群間のON-DD scoreの変化の割合はMann-WhitneyのU検定を用いて比較検討した.[結果] 2010年1月現在登録例は48例,うち23例に対し24回の手術が施行された.保存的に加療された非手術例は25例であった.三角頭蓋における発達遅滞の自然歴を求めて保存的に加療された非手術症例におけるON-DD scoreの年代別平均値をグラフ化し検討すると2歳半までは急速に増悪し,その後増悪傾向はプラトーに達する様子が示された.また,手術例のON-DD scoreの変化の割合を同時期の非手術例と比較するとp=0.2202で統計学的有意差を認めなかった.[結語] 2009年より開始された本邦発の三角頭蓋の自然歴と手術適応に関する前方視的多施設共同調査の初年度登録状況を概観した.フォローアップデータの蓄積により,今後自然歴及び手術適応が明らかになる事が期待される.

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