第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)15:15〜16:05

一般口演 5: 腫瘍 1

座長: 山田和雄、松村 明

O5-6

胎生期脳腫瘍の特徴とその集学的治療の検討
Characteristics and management of fetal brain tumors

三輪 点 (MIWA Tomoru) 1、大井静雄 1、佐々木 光 2、野中雄一郎 1、田母神 令 1、斉藤克也 1

東京慈恵会医科大学附属病院 総合母子健康医療センター 1、慶應義塾大学脳神経外科 2

胎生期の段階に脳腫瘍が発見されることは非常に稀であり、またそれらのうち悪性腫瘍は出生後に急速増大を示す場合が多く生命予後も悪い。それらの組織型も様々であり治療についても確立されたものはなく個々症例においてその方法は異なるものである。今回我々は胎生期にエコーあるいはMRIで脳腫瘍が発見された6症例(男児3例、女児3例)を元にその特徴と治療について考察した。6例は胎生30〜35週の間に発見され、組織型はImmature teratoma 2例、PNET 1例、Congenital neuroectodermal tumor 1例、Desmoplastic infantile astrocytoma 1例、Hamartoma 1例であった。Hamartoma以外の5症例は急速増大を認め、出生後2〜64週以内にいずれも死亡した。出生時に著明な頭蓋内圧亢進を認めた3例中2例は出生直後に緊急でCSF ドレナージを施行した。Biopsyが可能であった例は3例であったが摘出可能な例は0例であった。化学療法が行われた症例は2例であったがいずれも治療抵抗性であった。またCGH法の結果では生後8週以内の検体には組織型にかかわらずほとんど染色体異常を認めず小児脳腫瘍例全般とは異なる胎生期脳腫瘍に特徴的な所見と思われた。胎生期脳腫瘍には放射線療法は施行不能なため治療は外科的摘出、化学療法が主となるが発見時にすでに頭蓋内の大部分を占めている場合もありそのような場合にはドレナージ等の対症療法に限られてしまうかそれ自体の適応がない症例も多い。胎生期脳腫瘍はその性格や臨床像が遺伝子学的にも小児脳腫瘍全般と異なり治療も特殊であると考えられる。その判断は非常に困難であるが症例数を増やし適切な治療法を検討し予後を改善させることが今後の目標である。

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