第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)16:05〜16:55

一般口演 6: 腫瘍 2

座長: 倉津純一、若林俊彦

O6-3

pilocytic astrocytomaの治療成績と方針
Treatment results and strategy of pilocytic astrocytoma

野村貞宏 (NOMURA Sadahiro) 、梶原浩司、出口 誠、吉川功一、吉野弘子、鈴木倫保

山口大学 医学部 脳神経外科

【目的】pilocytic astrocytomaはgrade I に属する低悪性度腫瘍であるが、全摘困難な部位に存在するため根治は困難である。当科における治療方法の変遷と成績を報告する。【方法】1993年から2009年までに当院で治療を行った6例(男女とも3例)を対象とした。視神経前方型腫瘍と小脳腫瘍は除外した。発症時の年齢は6ヶ月から13歳、現在は3歳から19歳である。発症時の症状は頭蓋内圧亢進が3例、視力視野障害2例、視床下部障害1例であった。治療開始からの前期2例は腫瘍の可及的摘出を目指し、後期4例は画像診断または生検術によって診断し、化学療法、放射線療法を優先させ、外科的治療は腫瘍が占拠部位に圧迫症状を認めた場合のみ行った。水頭症の外科的治療は必要時に行った。【成績】全例生存中であるが、腫瘍は残存している。5例(現在13〜19歳)では腫瘍増大が止まり、他の1例(現在3歳)は増大が続いている。増大停止の5例に行った補助療法は化学療法のみ1例、放射線療法のみ1例、化学療法と放射線療法1例、補助療法なしが2例である。前期2例の転帰はMD(視力視野障害および内分泌障害)1例、VS 1例であり、後期4例の転帰はGR 3例、SD(片麻痺)1例であった。【結論】神経生理モニタリングやナビゲーションを利用し、合併症を避けながら腫瘍を摘出することが現在では多くの場合可能になったが視神経、視床下部、視床などに発生した腫瘍はいまだ手術合併症のリスクが高く摘出困難である。pilocytic astrocytomaは必ずしも致死的腫瘍ではなく無理な摘出は慎むべきである。腫瘍が増大停止に至ったのは補助療法が有効だったばかりではなく、腫瘍の生物学的性格によるものと考えられる。腫瘍増大がプラトーに達した時の状況を予測し、ADL維持を目標とした治療を行うべきである。

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