第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)16:05〜16:55

一般口演 6: 腫瘍 2

座長: 倉津純一、若林俊彦

O6-4

小児毛様細胞性星細胞腫に対する集学的治療後の後遺症
Long-term sequelae after multidisciplinary treatment of pilocytic astrocytoma

寺崎瑞彦 (Terasaki Mizuhiko) 1、稲田浩子 2、淡河悦代 3、中島慎治 1、坂田清彦 1、前田光秀 1、杉田保雄 4、重森 稔 1

久留米大学 医学部 脳神経外科 1、久留米大学 医学部 小児科 2、久留米大学 医学部 放射線科 3、久留米大学 医学部 病理学 4

【目的】小児脳腫瘍の集学的治療には医師やコメディカルなど様々なスタッフと連携が必要となるが治療後の長期後遺症には不明な点が多い。今回、特に毛様細胞性星細胞腫の集学的治療後の後遺症を検証することを目的とした。【方法】1974年以降に発症し現在外来追跡可能な116小児脳腫瘍症例(18歳以下)の中で、集学的治療を必要とし、現時点で治療を終えた毛様細胞性星細胞腫10例の就学に関る後遺症を中心に検討した。【結果】全症例の発症時平均年齢は8歳(0−18歳)。発生母地は小脳3例、視床下部/視神経交叉部5例、松果体部1例、脳梁部1例であった。全10症例での手術回数は計20回(うち、シャント手術5回)、経過中に放射線治療を行ったものは4例(局所3例、全脳全脊髄1例)であった。4例が初期治療で治療を終えており、残る6例中再発した5例において化学療法を施行した。化学療法はtemozolomide2例、Weekly Cisplatin+Vincristine4例であった。化学療法の平均治療期間は18ヶ月であった。全例生存し、観察期間中央値9年(2−11年)の現時点で6例が就学・就労している(うち、2例は特殊学級)ものの、平均全検査IQは76(動作性IQ82、言語性IQ62)であり、経過中に不登校となっている症例が2例に認められた。また、2例がホルモン補充療法を必要とし、1例は思春期早熟症で治療中である。【結語】毛様細胞性星細胞腫は摘出困難部位への発生が多く集学的治療を要する。特に視神経近傍に発生した場合には視覚認知、空間認知の低下やホルモン治療のため就学に際して支援を必要とすることが多く、複数回の手術、放射線治療や化学療法、其々がIQ低下に繋がる可能性がある。また、本腫瘍は長期間の治療を必要とすることが多いため今後精神的支援も含めた社会復帰への体系作りが必要と考える。

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