第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)B 会場(2階 203, 204)16:05〜16:55

一般口演 6: 腫瘍 2

座長: 倉津純一、若林俊彦

O6-6

髄芽腫治療の現状と課題
Analysis of treatment for medulloblastomas

伊藤千秋 (ITO Chiaki) 、伊達裕昭、沼田 理

千葉県こども病院 脳神経外科

【目的】今日髄芽腫の5年生存率は60%以上と報告される.治療成績の向上には手術のみならず適切な補助療法の選択が重要である.当院では従来から放射線治療を主体とする補助療法を行ってきたが平成8年以降とくに3歳未満の症例には積極的に化学療法を導入しその有用性を検討してきた.治療の現状を分析し問題点を明らかにする.
【対象と方法】当院で初期治療(摘出術と補助療法)を行い1年以上の経過観察のある16人を対象とした.手術時年齢は0.4から13.2歳(平均5.1歳)、経過観察期間は1.5から19.1年(同10.4年)である.対象を補助療法の違いにより、標準放射線治療のみ(A群;n=10、平均6.8歳)、化学療法と後頭蓋窩照射のみ(B群;n=2、同2.0歳)、化学療法のみ(C群;n=4、同2.5歳)の3群に分類した.照射線量は年齢により適宜減じた.化学療法はPE療法でメトトレキセートあるいはテスパミンの髄腔内投与を追加した.検討は主として生存率、再発の状況について行った.また就学状況についても検討した.
【結果と考察】1.16例中2例は再発により術後5.3年(A群)、3.1年(C群)で死亡した.全体での3年生存率は94%、5年生存率は87.4%であった.2.再発はA群で2例(術後1.3、1.7年)、B群で1例(1.0年)、C群では3例(0.2、0.3、2.1年)に認めた.B群の再発は脊髄と前頭葉への転移で、C群のそれは全例局所再発であった.A群では再手術と化学療法を、C群の1例を除くB群C群の3例には全脳全脊髄を含めた照射を追加した.3.就学年齢にある14例については、再発のなかったB群の1例を除いて全例特別支援学校や特別学級への通学であった.4.全体としての生存率は満足すべき数値であるが、年少児における補助療法の選択には依然大きな課題が残る.

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