第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)B 会場(2階 203, 204)8:20〜9:10

一般口演 7: もやもや病

座長: 長嶋達也、岩間 亨

O7-5

MRI脳潅流画像計測の日常臨床利用に基づいた小児もやもや病の治療
Surgical treatment of juvenile patients with moyamoya disease based on routine use of hemodynamic measurement.

成相 直 、田中洋次、武川麻紀、百瀬敏也、稲次基希、青柳 傑、大野喜久郎

東京医科歯科大学 脳神経外科

【目的】我々は近年小児もやもや病の外科治療において全例でMRIによる脳循環計測を術前術後に頻回に行い至適治療法を選択することを方針としている。この方針に基づいた近年の小児もやもや病治療に関し報告する。【方法】1978年以降当科で治療を行った18才以下のモヤモヤ病患者279名の治療状況について、dynamic susceptibility contrast MRI(DSC-MRI)灌流画像所見を治療のガイドとした2001年以降の104例(後期例、9年間)と、それ以前(前期例、23年間)の175例に分けて対比検討した。【成績】間接的血行再建術主体の手術治療を、後期例では80例(77%)に対し全99回、前期例では166例(95%)に対し177回行った。後期例では、両側病変の患者でもDSC-MRIの結果で循環不全が明瞭な半球や部位にのみ治療を行う方針で臨んでおり、初回の手術で両側治療を行う例は48例(60%)と前期例の140例(89%)に比し減少した。一側治療後に対側病変の悪化を検出し追加手術を行ったのは、後期例では11例(11/32、34%)で、前期例11例(11/26、42%)であった。また、後期例では、初回及び追加手術にて後方循環領域への手術を行った例が13例(16%)あった(前期例では0件)。周術期症候性梗塞は後期例2.7%、前期例2.5%(半球あたり)であり、変化はなかった。術後は外来で循環改善の状態をDSC-MRIにてフォローし、概ね手術後一ヶ月で循環改善が明らかとなっている。【結論】非侵襲的なMRIによる脳循環計測法の確立により個々の患者の病態に応じた小児モヤモヤ病の治療が行えるようになり、病態を充分に把握しながら必要な部位に対しての手術治療が行えるようになっていると考えた。今後も本手法を用い、患者の長期フォローを行うことが本疾患の病態理解と至適治療法の確立のために有用であると考えた。

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