第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

次の演題

第1日目、6月4日(金)C 会場(2階 202)12:45〜13:15

デジタルポスター 1: 腫瘍 1

座長: 香川尚己

P1-1

乳幼児の視神経交叉/視床下部に発生したpilomyxoid astrocytomaの特徴:長期経過観察例の検討から
The character of optic pathway/hypothalamic pilomyxoid astrocytoma in infant : a long term survival case

萩原宏之 (HAGIWARA Hiroyuki) 、岡 秀宏、宇津木 聡、藤井清孝

北里大学 医学部 脳神経外科

【目的】乳幼児脳腫瘍におけるoptic-hypothalamic astrocytomaには、pilocytic astrocytoma(PA)に比較し、悪性経過を辿るpilomyxoid astrocytoma(PMA)が存在し、WHO2007腫瘍分類に取り入れられgrade2となった。発生部位から全摘困難な上、増大速度が速く、局所再発や髄腔内播種が指摘され、化学療法と放射線療法を必要とすることが多い。今回我々が7年間経過観察としているPMAの1例を踏まえ、両者の特徴、相違点など検討する。【症例】9才、男児。1歳児の検診で斜視を指摘され、次第に眼振も出現するようになった。2歳6ヶ月時に視力低下(右0.2左0.06)、注視時回旋性眼振を認め、MRIで鞍上部腫瘍を指摘されたため開頭腫瘍部分摘出術を施行した。病理組織所見では、腫瘍細胞は豊富な類粘液基質を背景に、bipolarに細長い突起を伸ばし増殖し、血管周囲に集族を認めた。免疫染色では、GFAP、vimentin、アルシアンブルー陽性、MIB -1陽性率4%にて、PMAと診断した。術後より化学療法(シスプラチン/ビンクリスチン)8コース施行し、6歳時より放射線治療54Gyを追加した。9歳現在まで精神発達遅延なく、視力の温存を得て経過良好である。【考察】乳幼児のoptic-hypothalamic astrocytomaは、組織学的にPMAを呈することが多く、腫瘍増大傾向が強いため、積極的な治療が必要とされる。中枢神経が放射線照射に脆弱であるため、化学療法を先攻することが多く、シスプラチン/ビンクリスチンが有効とされている。しかし遅反応性や単独での治癒は困難なため、放射線照射を必要とするが、治療期間中のみならず、間脳下垂体不全や後遺症の発現、また自然退縮の報告もあり、長期にわたる綿密な治療計画が必要である。

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