第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)E 会場(2階 特別会議室)13:10〜13:35

デジタルポスター 10: 血管障害 2

座長: 小野成紀

P10-2

Chronic expanding intracerebral hematoma(慢性拡大性脳内血腫)を来たした小児海綿状血管腫の3例
Three pediatric cases of the chronic expanding hematoma with cavernous angiomas

河村洋介 (KAWAMURA Yosuke) 1、五味 玲 2、藤井博子 1、渡辺英寿 1

自治医科大学 脳神経外科 1、自治医科大学 とちぎ子ども医療センター 小児脳神経外科 2

【緒言】今回我々は血腫が進行性に増大した海綿状血管腫を3例経験したので報告する。【症例】症例1:11歳男性。痙攣発作で発症。頭部CTで左前頭葉3cmほどの皮質下出血を認めた。入院時に認めた右片麻痺は徐々に改善したが入院7日目の頭部CTで血腫増大を認め、入院9日目に開頭血腫除去術を施行した。脳と血腫の境界は明瞭であり、液状の血腫部分を吸引しen blocに腫瘤を摘出した。病理は海綿状血管腫。術後経過は良好で再発を認めない。症例2:14歳女性。頭痛、嘔吐、発作性の幻聴で発症した左側頭葉皮質下出血で、頭部MRIで時期の異なる血腫が混在していた。入院13日目の頭部CTで血腫増大を認め、入院18日目に開頭血腫除去術施行した。液状の血腫成分を吸引し、側頭葉極の腫瘤をen blocに摘出した。病理組織は海綿状血管腫であった。術後幻聴発作は減少した。症例3:0歳女児。哺乳不良の精査にて多発性海綿状血管腫を認めた。母親も多発性海綿状血管腫。右前頭葉に生下時7mmほどの出血を認め6か月後に血腫は25mmまで増大したが、神経脱落症状なく経過観察で自然に縮小した。発達に問題なく、外来で経過観察中。【考察】chronic expanding intracerebral hematomaは2〜3週間から数ヶ月の経過で徐々に増大する脳内血腫で、原因は脳動静脈奇形や海綿状血管腫などとされるが、成人例が多く小児例は比較的稀である。手術例は2例とも境界明瞭で内減圧しen blocに摘出できた。病理学的には拡大した血腫は必ずしも血管腫内出血ではなかったが、薄い被膜に覆われた境界明瞭な血腫でencapsulated hematomaと言えた。全摘出で再発は少ないとされ、自験例も同様であった。一方、遺伝性多発性海綿状血管腫の場合は徐々に血管腫が増加する事が多く手術治療の時期の決定が難しく、自験例のように自然吸収され得ることも留意する必要がある。

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