第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題 次の演題

第2日目、6月5日(土)E 会場(2階 特別会議室)13:35〜14:00

デジタルポスター 11: 外傷ほか

座長: 朴 永銖

P11-1

乳児growing skull fracture に対する手術の工夫 — 骨膜付き骨片移植と吸収性プレートの有用性 —
Usefulness of periosteum bone flap and absorbable plate for surgical repair of growing skull fracture in infant

輪島大介 (WAJIMA Daisuke) 、朴 永銖、田村健太郎、弘中康雄、中瀬裕之

奈良県立医科大学 脳神経外科

Growing skull fractureは脳神経外科専門医には周知の疾患概念であるが、その手術治療法に関してはまとまった報告は少ないのが現状である。今回我々は、可能な限り人工物を体内に留置しないことをコンセプトに修復術を施行した乳児症例を経験したので、文献的考察を加え報告する。【症例】8ヶ月、女児。4ヶ月時、祖母が抱っこしていて誤って女児を落としてしまい、エスカレーターのステップの角に左頭頂部を受傷。近医に救急搬送され、左頭頂骨の線状骨折ならびに直下の脳挫傷の診断を受け、意識レベルも清明であり頭蓋内圧亢進徴候も無く保存的に加療された。受傷4ヶ月後から受傷部位が膨隆してきたのを家人が気づき当院を受診する。左頭頂骨は幅20mmに離開し、縦65mmにまで拡大していた。また挫傷脳が嚢胞変性し、硬膜の間隙から二次性脳瘤状態を呈していた。典型的なgrowing skull fractureの診断のもと修復術を計画した。手術に際し、人工物を体内に残さない、つかまり立ちを始める月齢であり頭部外傷予防にsemi-rigidな頭蓋形成を目標とした。手術は、1)骨膜を用いwater tightに硬膜形成、2)骨折離開部には前方より有茎(骨膜付き)頭蓋骨片をrotationし移植し吸収性プレートで固定、3)donor部の骨欠損にはbone tipを敷き詰め、その上からシート状吸収性プレートで補強した。術後問題なく経過し、骨移植部も数ヶ月で癒合が得られている。【考察】本手術方法は、病変部には有茎の骨片を移植し、またdonor sideの骨欠損部にも早期に骨新生が得られるため、乳児growing skull fractureの治療には極めて有用であると考えられた。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目