第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)E 会場(2階 特別会議室)13:35〜14:00

デジタルポスター 11: 外傷ほか

座長: 朴 永銖

P11-2

箸による経口的頭蓋底異物の症例
Transoral Penitration of split chopstic between the basion and the dens

土居 浩 (DOI Hiroshi) 1、徳永 仁 1、吉田陽一 1、望月由武人 1、中村精紀 1、菅原俊祐 2、井田正博 2、青山亮介 3、寺尾 元 4

東京都保健医療公社荏原病院 脳神経外科 1、東京都保健医療公社荏原病院 放射線科 2、東京都保健医療公社荏原病院 形成外科 3、東京都保健医療公社荏原病院 耳鼻咽喉科 4

【目的】割り箸による頭蓋内損傷はマスコミに注目されて久しい。箸という欧米に比しアジアでの報告が多い特殊な穿通性の異物に関して、日本での診断指針が明確ではないため、今回我々の施設で経験した症例に関して、詳細な検討を行い、報告する。
【症例】2歳女児(9人兄弟の末っ子)で既往歴は特記事項なし。現病歴は平成21年9月2日午前中、引っ越しの際、菜箸をもって歩いていて母が注意しようとして転倒。すぐに箸をとってみたところ、先端部がないのに気づき救急要請。来院時所見は泣きやんでおり一見元気だが、耳鼻咽喉科医が左扁桃にわずかな傷を認め、 CT撮影を施行。頭蓋底にair densityの小さいmassを認め、箸の存在を疑ったため、当科紹介。
【神経放射線学的所見】単純写真では全く所見は不明であった。CTにて延髄前面にair を認めたが、くも膜下腔への空気の流入は認めなかった。MRIにてT1T2強調画像共に低信号のmassを歯突起上部から斜台下部にかけ認めた。同時に椎骨動脈の損傷はなく、脳幹、小脳の損傷は認めず、くも膜下出血も認めなかった。
【内視鏡所見】:耳鼻咽喉科医により内視鏡の精査を行うも箸の存在は全く確認できなかったが、左扁桃に刺入部は確認できた。
【手術】形成外科医と共に開口器を装着、口蓋垂を切開し、咽頭後壁に切開を加え、顕微鏡視下に、イメージを併用し、箸を確認、髄核鉗子で箸を除去。延髄前面の硬膜損傷はなかった。
【考案】まず木製の箸による異物がCTで空気と同様であるという認識が神経放射線学的にもっとも重要で、内視鏡での確認は困難であると認識すべきと思われた。しかし箸が時間と共にair densityでなくなることを忘れてはならない。またMRIの詳細の検討で椎骨動脈等の血管損傷の確認も可能であった。さらに今回は手術操作もビデオで供覧する。

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