第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)E 会場(2階 特別会議室)14:00〜14:25

デジタルポスター 12: 先天異常ほか

座長: 野中雄一郎

P12-1

Sotos症候群の一例:特異な解剖異常と病態の考察
Sotos syndrome with venous anomaly; A case reprot

原田敦子 (Harada Atsuko) 1、西山健一 2、棗田 学 3、斉藤なか 4、吉村淳一 3、山田謙一 5、森 宏 6、岡本浩一郎 2、藤井幸彦 2, 3

新潟医療センター 脳神経外科 1、新潟大学 脳研究所 脳神経外科分野 2、新潟大学医歯学総合病院 脳神経外科 3、鶴岡市立荘内病院 小児科 4、新潟大学脳研究所 臨床機能脳神経科学分野 5、三之町病院 脳神経外科 6

Sotos症候群は1964年にSotosらにより初めて報告された疾患で,出生前から始まる過成長,骨年齢の促進,特異顔貌,精神発達遅滞を特徴とする症候群である.今回特異な脳静脈走行を伴った水頭症に対し,脳室腹腔短絡術を行ったSotos症候群の一例を経験したので報告する.
症例は1才6ヶ月の男児.胎児期には異常は指摘されず,経膣分娩にて出生.出生時体重3828g(+2SD),身長35.3cm(+2SD),頭囲35.3cm(+1.5SD)であった.出生後数日で急激な頭囲拡大を認め,第7生日45cm(+3SD)となった.脳室拡大のみならず,特異な脳静脈走行もみられたため,生後2ヶ月で当科初診したが脳圧亢進症状はみられず,経過観察となった.その後も進行性の頭囲拡大(51.5cm(+3SD)),発達遅延がみられたため,生後8ヶ月で当科再診.生後11ヶ月の時点で右脳室腹腔短絡術(ProGAV)を行った.現在1才6ヶ月となり,お座りは11ヶ月で可能となったが,ハイハイはできず.発語も喃語程度で,精神発達遅滞を認めている.
Sotos 症候群はColeらによる診断基準(1994年)により症候学的に診断されている.2002年黒滝らがHSD1遺伝子のmicrodeletion, point mutationが原因であると報告し,以後遺伝子診断が行われるようになったが,日本人ではsensitivity 約50%と低い.本症例では過成長を来たす疾患は諸検査で否定された.また,FISH法による遺伝子診断ではSotos症候群の責任領域とされるNSD1(5q35)には異常みられなかったが,症候学的にSotos症候群と診断した.しかし,大脳皮質や海馬の形成異常,ガレン大静脈,大脳鎌静脈の拡張,直静脈洞の狭窄も合併しており,Sotos症候群として非典型的である.本症例の特異な病態について文献的に考察を加え報告する.

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