第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)E 会場(2階 特別会議室)14:00〜14:25

デジタルポスター 12: 先天異常ほか

座長: 野中雄一郎

P12-3

脳瘤の病理学的および免疫組織学的検討
Histopathological and Immunohistological analysis of encephaloceles

千葉泰良 (CHIBA Yasuyoshi) 、香川尚己、圓尾知之、橋本直哉、吉峰俊樹

大阪大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学

【目的】脳瘤は二分頭蓋の一形態であるが、最重症型である無脳症が神経管閉鎖不全により発生するのと異なり、神経管閉鎖後postneurulationの時期に間葉組織の形成不全によって頭蓋内容物の頭蓋内容物の頭蓋外への脱出が原因と推測されている。脱出した瘤内容は機能しておらず、切除術を行っても問題ないとされるが、一部機能しており温存すべきとの意見もある。今回我々は、手術にて摘出した脳瘤組織に対して病理組織学的検討を行ったので報告する。【対象と方法】出生後、当院にて脳瘤修復術を施行し、脳瘤組織を切除した4例(男児2例、女児2例)を対象とした。切除術は平均、出生5.8日後(0-18日)に施行した。4例全例が後頭部に発症し、3例はencephalomeningocele、1例はencephalocystoceleであった。2例は水頭症を合併したが、encephalocystoceleを含む2例は水頭症を合併しなかった。摘出されホルマリン固定された脳瘤組織を、Nestin、Musashi1、WT1、GFAP、Synaptophysin、Neurofilament、NeuNにて免疫染色を行った。【結果】HE染色では線維性結合織が中心で、その中に神経線維、グリア細胞の胞巣状、束状の増殖が見られたが、正常脳組織で見られる層構造や錐体細胞は見られなかった。免疫染色では、Nestin、Musashi1が全例でびまん性に陽性であった。WT1、GFAPは3例で陽性であった。Synaptophysin、Neurofilament、NeuNは、一部の細胞でのみ陽性であった 。【考察】今回検討した脳瘤は正常な脳組織としての構造が見られなかった。また、出生時には脳室周囲など一部の細胞でしか陽性とならない神経幹細胞のマーカーが広範囲に陽性となり、出生時には多くの神経細胞で陽性となる成熟神経細胞のマーカーが一部の細胞でしか陽性となっておらず、新生児期には見られない発生過程の未分化な細胞成分が存在している可能性がある。

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