第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)D 会場(2階 201)13:40〜14:10

デジタルポスター 13: 感染ほか

座長: 井原 哲

P13-1

乳児感染性慢性硬膜下血腫の1例
An ifantile case of chronic subdural hematoma infected by Escherichia coli

堤 佐斗志 (TSUTSUMI Satoshi) 、鈴木まりお、三島有美子、野中康臣、阿部祐介、安本幸正、伊藤昌徳

順天堂大学 医学部付属順天堂浦安病院 脳神経外科

【序文】感染性硬膜下血腫は既存の慢性硬膜下血腫が血行性に感染した結果形成されると考えられているが報告が少なく、その治療法は確立していない。今回我々は乳児感染性硬膜下血腫の1例を経験したので報告する。【症例】2カ月男児。頭部外傷、虐待、感染性疾患、心疾患の既往はなし。38℃台の発熱、けいれんで発症。初診時局所神経症状、大泉門の膨隆を認めず。WBC19200/ul、CRP6.7mg/dl、咽頭粘膜・尿・静脈血培養は陰性、髄液所見は正常であった。頭部CT上、右前頭側頭部硬膜下に低吸収域を示す病変あり、脳への圧排所見を伴っていた。MRI上T1 low, T2 high intensityを呈し、ガドリニウムで外膜が線状に強く増強された。けいれんはコントロール困難であった。硬膜下膿瘍を疑い穿頭ドレナージ術を施行。硬膜下には慢性硬膜下血腫に典型的な厚い外膜が存在し、切開すると黄色の膿と混在した暗赤色の流動性血腫が流出した。血腫腔洗浄後ドレーン留置。血腫からはEscherichia coliが培養された。術後第3世代セフェムとカルバペネムの静脈内投与を8週間行った。術後4週間の段階でMRI上硬膜下の液貯留、増強病変は消失していた。現在まで再発はみられていない。【考察】本症例では軽微な頭部外傷後生じた慢性硬膜下血腫に乳幼児感染症で最も一般的とされる大腸菌が血行性に感染、結果として血腫内膿瘍を形成したと推察された。初期感染源は無症候性尿路感染・胃腸炎が疑われた。髄膜炎、および髄膜炎から進展し生じる硬膜下膿瘍の予後は一般に不良とされる。一方、本症例のような感染性硬膜下血腫の治療成績は過去の報告においても一般に良好である。感染性硬膜下血腫と硬膜下膿瘍は異なった疾患として理解、扱うべきと思われる。厚い血腫被膜が感染藩種を防ぐバリアーとして機能、良好な予後に寄与している可能性が考えられた。

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