第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題

第2日目、6月5日(土)D 会場(2階 201)13:40〜14:10

デジタルポスター 13: 感染ほか

座長: 井原 哲

P13-5

乳児頭蓋内巨大嚢胞性病変
An infantile huge cyst associated with cerebral dysgenesis

堤 佐斗志 (TSUTSUMI Satoshi) 、鈴木まりお、三島有美子、野中康臣、阿部祐介、安本幸正、伊藤昌徳

順天堂大学 医学部付属順天堂浦安病院 脳神経外科

【症例】8ヶ月女児【主訴】定頚遅延【家族歴】母親(36歳)が統合失調症。【現病歴】在胎38週、帝王切開で出生。在胎期間中は胎児異常を指摘されず。当院小児科外来紹介受診時追視、喃語なく頭囲拡大みられ頭部MRIにて巨大嚢胞性病変を認め、当科当科紹介受診。【現症】頭囲42.5cm(最近数ヶ月で進行性に拡大)。大泉門やや緊満。頭皮静脈怒張なし。笑顔、微笑表出なし。開眼するも追視なし。表情に乏しく発語(喃語)なし。眼位は正常。明らかな外表奇形、四肢変形、打撲痕なし。ミルクの飲みは良好で嘔吐なし。瞳孔は両側2.5mm大で対光反応緩慢。四肢自動運動良好。寝返りなし。【画像所見】左頭蓋腔に正中構造の右方偏位を伴った巨大嚢状病変あり。頭蓋冠不均衡形成、上矢状洞形成不全を認める。脳葉形成不全が左優位にみられる。内大脳静脈と第3脳室上壁が下方へ圧排偏位。小脳、脳幹部、深部静脈系の形成は正常で小脳扁桃下方偏位はみられず。【臨床経過】進行性の頭囲拡大がみられることから神経内視鏡的に嚢胞壁開窓術を試みた。硬膜下の嚢胞内容液は水様無色透明であった。内側部大脳半球、大脳鎌、脳梁の形成はみられず、モンロー孔、脈絡叢、視床線条体静脈、拡張した側脳室下面、側脳室外面に接する脳回・脳溝、第3脳室上壁が嚢胞内に露出、直視下に観察された。側脳室上半部は存在せず、脳室上衣が遊離縁を形成していた。モンロー孔は両側とも狭窄、内視鏡の通過が困難であった。第3脳室上壁は白色に肥厚、強固なため内視鏡下での開窓が困難であった。左シルビウス槽近位部と脳底槽間を交通させるも、右シルビウス裂近位部での開窓操作は手技的に困難であった。術後4日目に患児の活動性が低下、嘔吐。大泉門緊満がみられたため術後5日目に右VP-シャント術施行。その後の経過は良好で現在外来経過観察中である。

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