第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

次の演題

第1日目、6月4日(金)D 会場(2階 201)12:45〜13:15

デジタルポスター 2: 腫瘍 2

座長: 杢中正博

P2-1

小児脳幹グリオーマに対するベバシズマブとイリノテカンの治療経験
The effects of bevacizumab and irinotecan treatment for children with progressive diffuse pontine gliomas

棗田 学 (NATSUMEDA Manabu) 1、原田敦子 2、吉村淳一 1、西山健一 1、岡本浩一郎 1、藤井幸彦 1

新潟大学 脳研究所 脳神経外科 1、新潟医療センター 2

【目的】進行性小児脳幹グリオーマに対するベバシズマブ(BV)とイリノテカン(CPT-11)の有効性を知る。【方法】テモゾロマイド(TMZ)併用照射療法とその後のTMZ維持療法を行っても進行する小児脳幹グリオーマ患児が対象。学内倫理委員会の承認を得た上でTMZ維持療法と同期的にBV 8mg/kgとCPT-11 100mg/m2を2週間毎に投与し、患児の臨床症状、画像所見、検査データについて検討した。【結果】症例1は9歳女児。顔面麻痺と右半身麻痺で発症。MRIは典型的な脳幹グリオーマの所見であった。照射54GyにTMZを併用した。照射後、壊死巣の部分切除とガンマナイフを施行した後TMZ維持療法を行ったが、病変が増大したためBV/CPT-11療法を開始した。投与後、嚥下障害は改善しMRIではガドリニウム(Gd)増強、T2 high病変共に縮小し2ヵ月間進行を抑制できたが、その後腫瘍が再増大しBV/CPT-11投与開始から3.5カ月で死亡。施行中、リンパ球減少のみで著明な有害事象は認めなかったが、最終化学療法後に血圧上昇と痙攣重責発作が出現し、MRIでposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)類似の所見を認めた。症例2は5歳女児。嚥下障害と歩行障害で発症。照射・TMZ療法、ガンマナイフを追加後にTMZの維持療法を施行したが、腫瘍が進行したためBV/CPT-11療法を開始。開始後すぐに嚥下障害と体幹支持性が改善し、MRIでは著明な病変の縮小が認められた。軽度の脱毛・歯肉出血・リンパ球減少が認められた。現在8コース施行中(4か月経過)であるが症状・画像共に悪化は認めていない。【考察】2例とも進行期であるにも関わらずBV・CPT-11投与後、症状と画像所見の改善が認められ、治療困難な本疾患に対する再発進行期の治療の選択肢になり得ると考えられた。また副作用については血栓・塞栓のみならずPRES類似症状にも留意が必要であると考えられた。

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