第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

次の演題

第1日目、6月4日(金)E 会場(2階 特別会議室)12:45〜13:15

デジタルポスター 3: 腫瘍 3

座長: 野村貞宏

P3-1

胎動の減少をきっかけに出生前診断された先天性脳腫瘍 の1例
Congenital brain tumor detected prenatally: a case with tetraparesis as an initial presentation in utero

寺田愛子 (TERADA Aiko) 1、松阪康弘 1、坂本博昭 1、井上健 2

大阪市立総合医療センター 小児脳神経外科 1、大阪市立総合医療センター 病理部 2

目的:出生前にスクリーニングの画像検査で診断される先天性脳腫瘍の報告例は散見されるが,胎児期に胎動の減少をきっかけに画像検査が行われ,出生前に診断された稀な先天性脳腫瘍の1例を報告する.症例:妊娠32週4日にそれまで認めた胎動が明らかに減少した.33週0日の超音波エコー検査にて脳室拡大を認め,胎児MRIでは両側側脳室の拡大および後頭蓋窩に多房性の嚢胞を伴う腫瘍性病変の所見を認めた.胎動の回復はなく,35週3日に帝王切開術にて出生し,Apgar 2/2であった.出生直後より自発呼吸を認めず呼吸管理を要した.出生時,対光反射を認め光刺激に対する瞬目は認めたが,顔面筋の運動は乏しく,頚部・上肢・体幹の随意運動は認めず,下肢は反射性の運動のみがみられた.大泉門の緊張が強いため,生後2日目に水頭症に対し脳室腹腔シャント術を施行し,頭蓋内圧亢進所見は改善したが脳幹症状はわずかな改善に留まった.出生後のMRIでは,血腫を伴う腫瘍性病変を脳幹部から頚髄に認め,嚢胞壁および腫瘍に造影効果を認めた.神経症状が重篤であるため生後早期には両親から積極的な治療の同意が得られなかったが,顔面の動きも悪化したため,生後30日目に腫瘍を摘出した.腫瘍の本体は延髄内部に存在し腫瘍内部に血腫を伴い,脊髄内にも腫瘍が進展していた.脳実質から発生し周囲の脳組織への侵潤性の発育を認めたため部分摘出にとどめた.組織検査ではdesmoplastic infantile ganglioglioma with anaplastic featuresであった.術後,顔面の表情,四肢の随意運動を認めるようになった.自発呼吸は認めるが弱く人工呼吸器からの離脱には至っていない.考察:出生前に腫瘍内出血によって胎動の減少をきたし,出生前に画像診断された脳幹内から脊髄内に進展する多発性の大きな嚢胞を伴う先天性脳腫瘍の1例を経験した.

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