第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)E 会場(2階 特別会議室)12:45〜13:15

デジタルポスター 3: 腫瘍 3

座長: 野村貞宏

P3-4

INI1陽性を示したAtypical teratoid / rhabdoid tumorの1例
A Case of Atypical teratoid / rhabdoid tumor shows INI1 positivity in immunohistochemical study

四條克倫 (SHIJO Katsunori) 1, 2、大高稔晴 2、栗原 淳 2、西本 博 2、片山容一 1

日本大学 医学部 脳神経外科学系 神経外科学分野 1、埼玉県立小児医療センター 脳神経外科 2

【目的】免疫組織化学的にINI1の発現が保持されているAtypical teratoid / rhabdoid tumor (AT/RT)の1例を経験したため文献的考察を加えて報告する。【症例】生後1ヶ月男児、在胎37週1日で出生。出生体重は2140g、Apgar score 8/ 10点。出生後、低体温・嘔吐が持続したため近医を受診。CTで脳腫瘍が疑われ当科紹介となった。頭部MRIで鞍上部から上方に進展するT1WI iso、T2WI low、Gd-DTPAで不均一に造影される巨大な脳腫瘍を認め、脳室系への圧排のため水頭症を呈していた。1週間後に脳腫瘍部分摘出術及びV-Pシャントを施行。免疫染色の結果ではVimentin 、αSMA、EMA、GFAP、neurofilament protein、cytokeratin(CAM5.2)、mic-2が陽性であった。INI1は腫瘍細胞の核に染色され保持されていたが、形態学的特徴と多彩なマーカーの発現よりAT/RTの診断に至った。術後CPAによる化学療法を開始したが投与後に出血性膀胱炎、腎機能障害が出現し継続困難となった。その後腫瘍の増大傾向を認めたため再度脳腫瘍亜全摘出術を施行し術後に放射線療法(全脳全脊髄2000cGy、局所3050cGy)を加えた。放射線療法中は腫瘍の増大は認めなかったが治療後に腫瘍は再増大をきたし肺及び腎臓に転移。入院後5ヶ月で永眠となった。【考察・結語】AT/RTは稀であるが小児期に発生が多く認められる予後不良な脳腫瘍であり、免疫組織化学的にほぼ全ての症例で腫瘍細胞核にINI1の発現を認めず、INI1( hSNF5/SMARCB1 )遺伝子が不活性化されていることが特徴とされる。しかしながら最近では組織学的・臨床的特徴がAT/RTと類似するがINI1陽性の脳腫瘍の報告が散見されるようになり、INI1遺伝子の不活性化はAT/RTの診断における絶対条件ではない可能性が示唆され始めている。このような腫瘍の分類は現在のところ明確ではなく、今後の症例の蓄積が望まれる。

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