第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)E 会場(2階 特別会議室)13:15〜13:45

デジタルポスター 6: 二分脊椎

座長: 林 俊哲

P6-2

頚胸髄部脊髄脂肪腫の治療方針
The strategy for the cervico-thoracic spinal lipoma

君和田友美 (KIMIWADA Tomomi) 1、林 俊哲 1、白根礼造 1、冨永悌二 2

宮城県立こども病院 脳神経外科 1、東北大学 脳神経外科 2

目的: 脊髄脂肪腫はその多くが腰仙髄部に発生し、頚胸髄脊髄脂肪腫は極めて稀な疾患である。腰仙部脂肪腫が脊髄係留により発症することが多いのに対し、本疾患は体脂肪の増大に伴って脂肪細胞の容積が増え、皮下脂肪同様に脂肪腫容積が増大する事による脊髄圧迫によって発症すると考えられており、このため乳幼児と成人ではその発症形式および治療予後は異なる.今回我々は乳幼児自験例3例を供覧し、発症形式、治療方針につき報告する.症例: 患者は当科で手術治療を行った頚胸髄脊髄脂肪腫3例。症例1は3ヶ月女児。生後両上肢の脱力で発症。呼吸嚥下障害、四肢麻痺が急速に進行し呼吸停止に至った。MRIで延髄から頚髄背側に軟膜下脂肪腫を認め、術中エコーモニタ−下に脂肪腫摘出術を施行した。現在5歳であるが嗄声が後遺したものの他に特記すべき症状は認めない。症例2は6ヶ月男児。頸部皮下腫瘤の精査で発見され、後に運動発達遅滞を指摘された。MRIにて延髄から頚髄背側に軟膜下脂肪腫を認め摘出術を施行した。現在6歳であるが神経症状は認めない。症例3は2歳女児で、先天性水頭症のスクリーニングMRIにて胸腰髄背側に軟膜下脂肪腫を認め予防的摘出術を施行した。現在7歳であるが神経症状は認めない。結論: 乳幼児の頚胸髄軟膜下脂肪腫は、生後脂肪容積の増大に伴い急速に脊髄症状が増悪することがあり、積極的な手術治療が必要であると考える。治療予後は良好で成人例では術後症状の改善は困難とされているが、乳幼児では症状が重篤でも改善が期待できる。手術の際には脂肪腫と脊髄との境界剥離および全摘出は脊髄損傷のリスクが極めて高く禁忌であり、かつ不要である。脂肪腫の摘出は脊髄の減圧にとどめることが神経症状を悪化させないために重要であり術中エコーは有用であった。

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