第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題 次の演題

第2日目、6月5日(土)C 会場(2階 202)13:10〜13:40

デジタルポスター 7: 脊椎 1

座長: 西山健一

P7-3

ダウン症候群に伴う整復困難な前方脱臼型環軸椎亜脱臼の1例
Anterior cervical approach for an irreducible atlantoaxial dislocation associated with Down syndrome: Technical case report

高見俊宏 (TAKAMI Toshihiro) 、池田英敏、國廣誉世、大畑建治

大阪市立大学大学院 医学研究科 脳神経外科

【はじめに】環軸椎亜脱臼の手術治療においては、整復可能か否かが手術方法を決定する主な要因となる。整復可能であれば後方固定術を選択し、整復困難な場合には後方除圧固定術あるいは前方除圧固定を選択するが、斜台軸椎角度が急峻な例では治療に難渋する。今回、ダウン症候群に伴う整復困難かつ急峻な斜台軸椎角度を呈する前方脱臼型環軸椎亜脱臼の1例を経験したので報告する。【症例】8歳、男児(身長110センチ、体重18キロ)。Down症候群に伴う環軸椎亜脱臼にて他院にて経過観察されていた。精神発達遅延の影響もあり神経症状の有無は明瞭ではなかったが、歩行開始が5歳と遅れていた。当科受診時には斜頸を呈し、痙性歩行を認めた。頸椎Xpにて環軸椎前方脱臼を認め、斜台軸椎角度は126度と急峻であった。動態撮影では、環軸椎は高度不安定な状態であった。MRIにて脊髄は環椎後弓と歯突起間で高度圧迫され、T2にて髄内高信号を認めた。ハローリングによる頭蓋直達牽引にて整復を試みたところ、斜台軸椎角度は136度と軽度改善を認めたため、後方からの環椎後弓切除および両側外側環軸関節への骨移植、ハローベストによる外固定を施行した。しかし、術後3ヵ月の外固定を行ったが充分な骨癒合が得られず,頸椎前方からの除圧固定術を行った。術後,再度にハローベストを装着して外固定を3ヵ月行い、現在までに環軸椎の骨性安定が得られた。【考察・結論】整復困難かつ急峻な斜台軸椎角度を呈する前方脱臼型環軸椎亜脱臼の手術においては、手術方法の選択には苦慮する。前方手術の適応であっても、体格的に経口到達法が困難な症例では、頸椎前方からの除圧固定術を考慮してもいいように思われる。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目