第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)C 会場(2階 202)13:10〜13:40

デジタルポスター 7: 脊椎 1

座長: 西山健一

P7-5

頭蓋底陥入症の経過観察によって症状改善がみられた一例
A case of basilar invagination in which the symptoms improved by follow-up

高道美智子 (TAKADO Michiko) 、小川隆弘、萬代綾子 1、梅林大督、小坂恭彦、中原功策、天神博志、久保 哲

京都第二赤十字病院 脳神経外科

 頭蓋底陥入症の治療としては外科的治療が主体であり、目的は除圧と固定である。患者が乳幼児である場合、成長の問題や手術による症状の悪化を認める場合もあり、その治療法については非常に苦慮する。今回幼児の頭蓋底陥入症で経過観察によって症状の改善を認めた症例を経験したので、いくつかの文献をふまえた考察を含めて報告する。 症例は4歳女児。出生時より特に異常は指摘されていなかった。X年7月4日より動きのぎこちなさがあり、翌日に歩行障害を主訴に当院小児科を受診した。CTにて異常を認めたため当科紹介となり、頭蓋底陥入症の診断であった。CT、MRIでは水頭症と扁平頭蓋を認めたが、その他の異常所見は認められなかった。症状は頭部前屈障害、深部知覚障害と歩行障害、水平方向の眼振を認めた。尿失禁はなかった。受診の翌日7月6日には症状がやや増悪しているようにみられたが、その後は症状の進行がなかったため経過観察を行っていると徐々に改善がみられた。2週間後には歩行可能になり7月26日に退院となった。その後の外来通院でも症状の出現はなく、画像検査でも成長に伴って頭蓋底陥入症の所見の改善が認められた。 今回の症例では頭蓋底陥入症と水頭症も認められていたため、除圧と固定の手術とあわせてドレナージやシャントの手術も考慮されていたが、症状は経過観察によって改善したのでいずれも行わなかった。また、頚椎の前屈、後屈撮影においても不安定性は確認できず、手術は行わなかった。小児の場合、成人と比較して固定の方法は限られるが、ハロベストの使用など比較的安全に固定が行えた例も報告されている。2日間という短い期間で発症して増悪もみられ、症状の改善が認められなかった場合にどのような方法で治療を行うのか、経過観察中にどの段階で除圧にふみきるのか考える症例であった。

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