第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)D 会場(2階 201)13:10〜13:40

デジタルポスター 8: 脊椎 2

座長: 夫 敬憲

P8-1

小児石灰化椎間板ヘルニアによる脊髄・脊髄根症に対する治療法の選択
Pediatric intervertebral disc calcification; surgery or conservative treatment

三島由美子 (MISHIMA Yumiko) 、伊藤昌徳 、安本幸正、阿部祐介、堤 佐斗志、野中康臣、鈴木まりお

順天堂大学医学部付属浦安病院 脳神経外科

【目的】小児石灰化椎間板ヘルニアは極めてまれに遭遇する疾患である。運動感覚障害(脊髄・脊髄根症)をきたす症例の臨床像と画像所見を提示し、本症の広汎な文献レビューから自然歴と治療法の選択について検討する。【方法】症例:13歳男児。外傷、感染症の既往はなく、半年前、突然の後頸部痛で4日間学校を休んだ。5月8日後頸部痛と肩甲部痛があり、整骨院に通院したが改善せず、5月16日100メートルリレーを走ったあとに同部の激痛出現し学校を休んだ。頚椎軽度斜頚、頚椎後屈制限、前屈時後頚痛、両手指の軽度巧緻運動障害、右握力低下、右側三角筋、上腕三頭筋、手首屈曲,伸展の筋力低下、右C7,8領域の感覚低下、下肢振動覚低下をみとめた。血液検査で異常所見なし。EMGでは両側尺骨神経のF波はほぼ消失。正中神経刺激のSEPは正常。頚椎レ線で、軽度斜頚、後屈制限、CTにてC6/7に石灰化椎間板ヘルニア像あり、C6/7椎間高は9mmと増加し、その分C6椎体の上下高は7mmと減少。MRIにてC6/7右側傍性中部の脱出椎間板による頚髄圧迫(脊柱管占拠率約50%)を認めた。治療:頚椎前方除圧固定術が検討されたが、保存的治療として頚椎カラー装着、NSAIDS投与、頸部等尺運動を行った。【結果】感覚障害、両手指の軽度巧緻運動障害は徐々に軽快し、8月には握力は正常化、右肩甲部痛もほぼ消失した。8月29日のMRIでは椎間板脱出と頚髄圧迫は消腿していた。【考察 結論】小児椎間板石灰化症は平均年齢8歳の男児に多く、頚椎の「髄核」に起こる(成人の椎間板石灰化は髄核ではなく線維輪に起こる)。ほとんどの症例での臨床症状、画像所見は自己限定性(self-limiting)であることは広く知られていない。外科的治療を要した症例の報告もあり、手術適応、手術法についての定見はない。希有な一自験例をもとに、病態と治療法を検討する。

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