第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)D 会場(2階 201)13:10〜13:40

デジタルポスター 8: 脊椎 2

座長: 夫 敬憲

P8-2

脊髄血管芽腫の小児例
A pediatric case of solitary spinal hemangioblastoma

藤井博子 (FUJII Hiroko) 1、五味 玲 2、田中 聡 3、渡辺英寿 1

自治医科大学 脳神経外科 1、自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児脳神経外科 2、県西総合病院 脳神経外科 3

【はじめに】脊髄血管芽腫は、脊髄髄内腫瘍の3%とまれな腫瘍であり、成人例が主である。小児における脊髄血管芽腫はさらに報告例は少なく、Von Hippel-Lindau病(VHL)に伴うものがそのほとんどを占める。特徴のない症状にて発症することが多く、発症から診断までに時間を要し診断に苦慮する場合もある。全摘出されれば予後良好であるが、髄内腫瘍であり易出血性であるため、高度な手術手技と神経モニタリングが要求される。今回我々が経験した脊髄血管芽腫の小児例について検討した。【症例】13歳男児。咳やくしゃみの時の背部痛にて発症し、発症後8ヵ月後に側弯症精査で施行された脊椎MRIにて、第三胸髄に造影効果のある単発性の腫瘍性病変と頚髄から腰髄におよぶ広範な空洞症を指摘された。血管造影にて均一な腫瘍濃染像を認め、血管芽腫が疑われた。左脛骨神経刺激の体性感覚誘発電位と経頭蓋刺激と脊髄硬膜外電極による運動誘発電位を用いて、腫瘍摘出術を施行、これらのモニタリングを活用することで、安全に全摘出を行うことができた。術後4か月のMRIで空洞症は著明に改善した。VHLと思われる他症状はみられないが、現在遺伝子検索を行っている。【考察】脊髄血管芽腫は髄内腫瘍ではあるが、80-90%は背側・背外側の軟膜直下に存在するとされる。本症例も脊髄表面に存在し正常脊髄との境界も明瞭で、モニタリング下に慎重に剥離することで合併症なく摘出できた。一方、VHLに伴わない小児の脊髄血管芽腫の報告は非常にまれで、本症例も今後の経過観察が必要で遺伝子検索中であるが、家族歴もなく少なくとも現時点で全くその徴候を認めない。【結語】VHLに伴わないまれな脊髄血管芽腫の小児例を経験し、モニタリング下に全摘出し得たので報告した。

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