第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題 次の演題

第2日目、6月5日(土)D 会場(2階 201)13:10〜13:40

デジタルポスター 8: 脊椎 2

座長: 夫 敬憲

P8-5

電気生理学的モニター下に血管内治療を行なった脊髄髄内動静脈奇形の1例
Endovascular treatment for spinal intramedullary AVM with neurophysiologic monitoring,a case report.

佐藤允之 (SATO Masayuki) 、井原 哲、中居康展、松村 明

筑波大学 脳神経外科

【はじめに】脊髄髄内動静脈奇形のは根治術が難しく、また治療時には神経機能温存を常に注意する必要がある。特に血管内治療時には血管造影室という特殊環境から電気生理性学神経モニター(球海綿体反射(BCR)、運動誘発電位(MEP)、体性感覚誘発電位(SEP))も安定した指標としての評価は困難なことが多い。今回、塞栓術施行時に電気生理学的モニターが有用であったので、そのセッティング方法、評価法、今後の課題について報告する。
【症例】15歳女児。突然の下肢の対麻痺により歩行困難となった。MRIで脊髄腫瘍疑われて本院紹介受診された。来院時は左下肢優位の不全対麻痺が認められたが、感覚障害と膀胱直腸障害は認めなかった。精査の結果、Th12レベルの脊髄髄内動静脈奇形のVarixが急激に増大したため、急激な症状が出現したと判断し、全身麻酔下に血管内治療を予定した。モニターはBCR、MEP、SEPを行なった。塞栓術直前にProvocation Test(リドカイン)を行なって、モニターに変化がないことを確認してNBCAによる塞栓術を施行した。術後は神経機能の悪化は認めなかった。その後に2回の追加血管内治療を行ったが、同様の手技、モニター管理下の治療を行い、独歩可能な状態で自宅退院された。
【考察】脊髄血管奇形に関して血管内治療を行なう場合は、呼吸性変動と腸蠕動運動と体動によるアーチファクトを軽減するために全身麻酔での治療が望まれる。その場合、神経機能へ及ぼす影響がリアルタイムにわからない。しかし、今回のように神経機能モニターが確実であれば、塞栓術中の術者にとって治療戦略を決定に非常に心強い指標となった。ただし、神経モニター用麻酔で筋弛緩剤は使用しないため、NBCAの長時間微量注入時の呼吸性体動には麻酔科との協力が必要である。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目