第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題

第2日目、6月5日(土)C 会場(2階 202)13:40〜14:10

デジタルポスター 9: 血管障害 1

座長: 佐久間 潤

P9-5

乳児脳幹部動静脈瘻の治験例:術中蛍光血管造影の有用性
Application of intaraoperative fluorescece angiography in surgical obliteration of brain stem arteriovenous fistula

南田善弘 (MINAMIDA Yoshihiro) 1、三上 毅 1、飯星智史 1、寶金清博 1、吉藤和久 2、越智さと子 2

札幌医科大学 医学部 脳神経外科 1、道立子ども総合医療・療育センター 2

【目的】小児脳血管奇形の中で脳内に発生する動静脈瘻は非常に稀であり動静脈奇形の約1.6%と報告されている。多くは高流量で静脈瘤を高頻度に伴うとされる。自然歴は明らかではないが、出血例は一般的に治療適応とされている。治療はシャント部位を遮断するのみで良いとされ、外科的にあるいは塞栓術が行われる。しかし病変が脳幹部にあり、流入動脈が穿通動脈の場合、治療のリスクは高くチャレンジングなものとなる。出血発症した脳幹部動静脈瘻の乳児例の外科治療に術中蛍光血管造影を活用し大変有用と思われたので報告する。【症例】満期産、正常分娩の3ヶ月男児。突然の意識障害で発症し、頭部CTで脳室内出血、クモ膜下出血を認め中脳に約15mmの円形腫瘤を認めた。意識はしだいに回復したが、外側注視麻痺を認めた。脳MRIで腫瘤は血栓と思われ、脳血管造影では脳底動脈の穿通動脈が複数流入する動静脈瘻と診断した。手術あるいは塞栓術を考慮したが治療のリスクを考慮し、数ヶ月フォローアップすることとした。しかし、約1ヶ月後に再出血を認め治療を余儀なくされた。病変は橋から中脳にかけて存在し、第四脳室フロアの直下に存在した。フローは遅く、静脈瘤の血栓化はさらに進行していた。後頭下開頭で第四脳室フロアを広範に露出し観察したところ傍正中溝部に出血の瘢痕があり、正中溝を切開し進入すると異常血管が見つかりICGによる蛍光血管造影を行った。さらに剥離と凝固を繰り返し、最終的に動静脈瘻のシャント遮断に成功した。術後、外側注視麻痺の悪化を認めた。【結語】動静脈瘻の外科治療においてICG術中蛍光脳血管造影は大変有用である。特に本症例のように軟膜血管では無く穿通動脈が流入動脈で表面から病態が把握できない例では術中の検査結果が何よりも確かな指針となった。

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