第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題 次の演題

第1日目、6月4日(金)A 会場(3階 メインホール)8:20〜9:40

シンポジウム 1: 小児もやもや病の治療戦略

座長: 宝金清博、白根礼造

S1-4

小児もやもや病の治療戦略。脳循環の術後変化より
Treatment strategy for pediatric moyamoya disease. In view of the postoperative hemodynamic condition

林 俊哲 (HAYASHI Toshiaki) 1、白根礼造 1、君和田友美 1、冨永悌二 2

宮城県立こども病院脳神経外科 1、東北大学大学院神経外科学分野 2

目的:小児もやもや病患者は脳虚血発症が多く、術前および周術期における脳虚血合併症のリスクは高い。我々はこれを回避するため直接および間接血行再建術を同時に施行しているが、今回これら手術の周術期の病態と予後について検討した。方法:対象は2005年8月〜2009年6月に当科で直接および間接血行再建術を受けた18歳以下のもやもや病患者22例(2歳〜17歳:平均8.58 ± 4.55歳)35側。全例に術前、周術期、術後3ヶ月以降にMRI、MRAおよび脳血流SPECTを施行し臨床所見と合わせて検討した。結果:周術期に神経症状を認めたのは13例15側で、2例2側に脳梗塞を認めた。術後脳梗塞を認めたのはこの2例のみで、いずれも広汎な脳梗塞で発症した3歳児であった。術後半年経過時全例で脳虚血発作の消失(94.3%)もしくは改善(5.7%)を認めた。周術期に直接血行再建による血流変化によりwatershed zoneが変化した為と考えられる局所的なuptakeの低下を12側、MRIで浮腫性変化を呈する過環流によると考えられる局所的なuptakeの上昇を7側に認めた。前者は術前頻回に虚血症状を呈するものに有意に多く(P=0.018)、後者は年齢が高いものに有意に多くみられた(P=0.008)。結論:小児もやもや病では症状が急速に進行することがあり治療適応と判断された場合には可及的早期に手術が必要である。直接血行再建術により術直後から血流改善が期待されるが、周術期に血行動態の変化により神経症状が出現する事があり注意が必要である。術前の血行動態が不安定な症例では脳梗塞のリスクが高いためdouble bypassを行うなどより積極的な治療がのぞまれ、年長児では過環流に対する注意が必要である。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目