第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題 次の演題

第1日目、6月4日(金)A 会場(3階 メインホール)8:20〜9:40

シンポジウム 1: 小児もやもや病の治療戦略

座長: 宝金清博、白根礼造

S1-5

小児もやもや病の外科治療ー今後の課題
Future perspective of cerebral revascularization for pediatric moyamoya disease

黒田 敏 (KURODA Satoshi) 1、笹森 徹 1、川堀真人 1、中山若樹 1、宝金清博 1、石川達哉 2

北海道大学 医学研究科 神経外科 1、秋田脳血管研究センター 脳神経外科 2

【目的】われわれは1998年以降、もやもや病に対して有茎骨膜弁を利用したSTA-MCA anastomosis + EDMAPS (encephalo-duro-myo-arterio-pericranial synangiosis)を実施して良好な長期成績を得ている。しかし、小児例の中には現在も治療に難渋する症例がみられるのも事実である。今回、われわれはこれらの症例を呈示するとともに今後の課題を検討したい。
【対象、方法】1998年以降、北海道大学病院にてSTA-MCA +EDMAPSを実施した小児例のうち、診断、周術期の管理、経過観察期間中に問題が生じた例を対象として検証した。
【結果】軽症あるいは早期例では他科で脳MRIのみが実施されて「異常なし」と判定され、確定診断が遅れる例が散見される。発症早期に脳梗塞発作を繰り返す、あるいは、周術期に急速に病期が進行する劇症型の例では、周術期にSTA-MCAバイパスがカバーできない領域に脳梗塞を合併するリスクが高い。約20%で術後数日間に一過性の手口症候群を呈する。前医での脳血行再建術が不十分な場合の追加手術は比較的安全に実施可能である。一部の症例で術後も頭痛が遷延する。術後数年間、病状が安定していても、非手術側や後大脳動脈で狭窄病変が急速に出現あるいは進行して脳虚血発作を頻発させる例がみられる。
【結語】小児もやもや病の診療レベルをさらに向上させるにあたって、他科への啓蒙活動、劇症例のクリティカル・ケア、周術期の病態理解、術後長期の経過観察などが今後も重要であると考えられた。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目