第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)A 会場(3階 メインホール)8:20〜9:40

シンポジウム 1: 小児もやもや病の治療戦略

座長: 宝金清博、白根礼造

S1-6

小児もやもや病に対する直接血行再建術の効果と限界
Effectiveness and limitation of the direct bypass for the patient in moyamoya disease

川島明次 (KAWASHIMA Akitsugu) 1、川俣貴一 2、藍原康雄 1、米山琢 1、山口浩司 1、堀智勝 3、岡田芳和 1

東京女子医科大学 脳神経外科 1、東京女子医科大学脳神経外科八千代医療センター 2、森山記念病院 3

【はじめに】小児もやもや病の中でも幼児期以前と学童期以降では臨床像が異なるとの報告がある。小児もやもや病に対する直接血行再建術の効果と限界を、bypass patencyの経時的変化と臨床経過から検討した。【方法】2000年12月から2009年12月までに直接結構再建術を行った小児もやもや病(1歳から15歳)31例51側のうち、bypass patencyの経時的変化を確認し得た16例19側を対象とした。Bypass patencyが経時的に悪化していく、或いは間接的なneovascularizationより劣るものに注目、検討した。【結果】全例で術直後のbypass patencyは確認できた。これが経時的に悪化していく、或いは間接的なneovascularizationより劣るものは全例が5歳以下だった。間接的なneovascularizationは側頭筋または硬膜からの血流が主で、直接血行再建でdonorとして用いているSTA(脳表に接している)からは間接的なneovascularizationはほとんど発達していかなかった。術後脳虚血症状が悪化していったのは1例(3歳)で、直接、間接からの血流はともに経時的に悪化していき、梗塞巣が広がった。【結論】5歳以下のもやもや病患者は術直後のbypass patencyが良好でも、後に不良になっていくことがある。また、これをカバーするかのように間接的なneovascularizationが良好だった。一方、これ以降の年代では直接血行再建からの血流の発達は全例で著明であり、間接的なneovascularizationの発達は比較的軽度であった。小児もやもや病では血行再建術後のneovascularizationの特徴が幼児期以前と学童期以降で異なる。これらの特徴を踏まえてstrategyを考えることが肝要である。

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