第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)A 会場(3階 メインホール)10:40〜11:55

シンポジウム 2: 脳室内出血後水頭症の長期予後

座長: 原岡 襄、高橋義男

S2-1

胎児期脳室内出血後水頭症
Fetal intraventricular hemorrhage

師田信人 (MOROTA Nobuhito) 、荒木 尚、李 政勲

国立成育医療センター 脳神経外科

【目的】胎児期脳室内出血後の経過、予後について検討した.【対象および方法】2002年4月より2009年末までに手術した水頭症患者236名中、脳室内出血後水頭症は43名(胎児5名、未熟児30名、その他8名)であった.胎児例5名(手術群)と、胎児MRI診断された非手術例4名(非手術群)、計9名を対象とした.診断時期、発達障害の程度、治療時期について後方視的に検討した.【結果】初期より経過観察可能であった8名の診断時期は22週未満1名、22週-32週未満3名、32週以降4名であった.20週診断例は21週で妊娠中絶となった.脳室拡大は手術群で大きい傾向にあったが、手術適応は頭囲拡大を基準に判定された.発達障害は手術群3名に重度遅滞を認め、経過観察期間1年未満の2名では軽度遅滞を疑われている.遅発性に脳室拡大示し手術を行った2名で中1名は重度発達遅滞であり、手術時期よりは画像上の実質損傷が予後に関連した.非手術群生存3名では脳室拡大は軽-中等度であるが年長児2名には明らかな発達遅滞を認めている.【考察】胎児期脳室内出血後脳室拡大を示した小児の予後は一般に不良と言われている.今回の検討でも、手術群・非手術群ともに年長児全例発達遅滞を伴っていた.単純性軽度脳室拡大における発達遅滞発生率10-20%に較べると、非手術例でも予後不良であることが示唆された.また胎児期脳室内出血後脳室拡大例での水頭症への移行(手術適応)は、未熟児例に較べ高い可能性も疑われた.【結論】稀な病態であるが、胎児期脳室内出血後脳室拡大例では何らかの発達障害を伴う可能性は水頭症治療の有無にかかわらず高いと考えられた.

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