第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)A 会場(3階 メインホール)10:40〜11:55

シンポジウム 2: 脳室内出血後水頭症の長期予後

座長: 原岡 襄、高橋義男

S2-5

脳室内出血後水頭症の長期予後
long term outcome of post hemorrhagic hydrocephalus

下川尚子 (SHIMOKAWA Shoko) 、中島 進、中川摂子、高橋研二、荒巻ゆかり

社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 脳神経センター 脳神経外科

【目的】小児で脳室内出血を起こす時期は出生早期が多く、その原因は低出生体重児や出生時仮死の影響など脳の未熟性に加えて何らかのストレスが引きがねになっている症例がほとんどである。当院では脳室内出血の後に水頭症のなり手術に至った症例を過去約20年間に36例経験している。これらの症例について臨床背景の分析と長期予後の検討を行った。【対象】脳室内出血を起こして脳外科に紹介された症例は54例でうち36例(66.6%)について手術治療を行った。【結果】出血を診断された時期は出生直後が多く、哺乳力の低下や発熱などの臨床症状で検査診断された症例もあるが、低出生体重児の入院時検査で指摘される症例が大多数であった。胎内出血後水頭症と思われる症例は3例で、母体の外傷、くも膜下出血発症、虫垂炎手術が契機になっていると考えられた。出生時の在胎週数は30週未満の症例が21例(58.3%)で最も早く出生した症例は22週であった。出生時体重は604gから3450gで1000g以下の症例が13例(36%)であった。治療方針の原則は(1)待機的に経過を見ることができる症例は可能な限り全身状態の安定と体重増加めざす。(2)症例によっては腰椎穿刺によって脳圧をコントロールする。(3)髄液の性状がシャントに適しない症例はリザーバー排液もしくは体外ドレナージにて性状の改善を待つ。(4)髄液性状、体重しかも進行性頭囲拡大の存在、この3条件を満たした症例はシャント手術に移行している。【予後】死亡例が2例。網膜症の影響で視覚障害が2例。予後判定のための機能評価が施行できた症例が27例(75%)であった。これらの27例のうち予後良好(IQ87-117)5例(18.5%)、就学に際して配慮が必要な症例6例(22.2%)、日常生活は自立可能であるが助言が必要な症例4例(14.8%)、日常生活に介助が必要な症例12例(44.4%)であった。

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