第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)A 会場(3階 メインホール)14:30〜15:45

シンポジウム 3-1: 周産期における諸問題(胎児診断)

座長: 橋本信夫、坂本博昭

S3-3

東京慈恵会医科大学・総合母子健康医療センター(JWCMC)における胎児水頭症・二分脊椎の周産期医療に始まる生涯Follow Up体制と水頭症・二分脊椎の出生後予後からの検討
Perinatal Care and Postnatal Outcomes of Fetal Hydrocephalus and Spina Bifida in Jikei University Hospital Womens' and Children's Medical Center JWCMC Tokyo

大井静雄 (Oi Shizuo) 、野中雄一郎、田母神 令、三輪 点、斎藤克也

東京慈恵会医科大学 総合母子健康医療センター (JWCMC) 小児脳神経外科

目的:私共は、胎児水頭症の発生・診断時期を、障害を受ける脳側のニューロン成熟段階との相関性から分析するPCCH分類を考案し、PCCH Stage I(8~12週)の胎児期早期発症例はStage III(32週〜)より優位に予後不良であり胎内での水頭症の不可逆的進行があり得ることを証明した(J. Neurosurg88, 1998)。一方、胎児診断で出生後の予後推測がどの程度可能か?との命題は、私共のMRI二分脊椎胎児運動機能評価(J. Neurosurg. Ped. 2006)から出生後の運動機能レベル診断:SBNSの予測とともに、現時点での重要研究課題である。厚労省委託研究(20委−9)での全国前方視的多施設共同調査が進むなかで、JWCMCにおける周産期医療と生涯Follow Up体制にみた出生後長期予後を検討した。 方法:JWCMCの2001-2009年に診断された胎児から成人に至る水頭症例366例の経年的DQ/IQテストの推移、および二分脊椎例350例の経年的SBNSスコアの推移を分析した。 結果と結論:胎児水頭症は先天性水頭症の診断時期として大多数を占めた。胎児期の水頭症には脳室拡大が巨大化して発見される一般脳神経外科医療とは異なり、周産期センターでの高度先進医療ではその初期発生段階から胎児期に進行を示す胎生期の水頭症病態が把握され、その出生治療時期の的確な判断が要求された。出生後知能予後では、二分脊椎の中で脊髄脂肪腫の最重症型である脂肪脊髄髄膜留では、2か月以内の手術例のみが症候の正常化を見た。水頭症の長期知能予後では、DQ/IQが50以下の難治性水頭症が17.3%を占める半面、DQ/IQ が130以上は4.3%、145以上のSuper-High DQ/IQ [SHIDQ]は1.5%を占め、出生後治療予後には大きな希望も見出せた。

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